消費増税ストップ!まだ中止できる学習会開催 (2013年3月21日)
県民の多くは、収入が減り公的負担が増え続ける中で、暮らしの厳しさを実感し、将来不安を募らせています。
被災地や被災者はもっと大変です。善意の義援金も、大震災だったことで対象者が多く、中越地震のときの四分の一、生活再建支援金100万円とあわせても公に配られたお金は決して多くはなく、2年たった今「手持ちのお金も少なくなった。これからの生活をどうしよう。」「次の仕事の目途がたたない。」「お店を(生業)再開できない」など必死の生活が続いています。これからの生活再建で物を買って揃えなければいけない時に、「消費税増税は納得できない。」と怒っています。
年金削減や医療費負担増など社会保障を切り下げ、現行5%の消費税を来年4月に8%に、翌年10月には10%に引き上げる消費税増税では、国民は二重に負担を強いられ、先行きの生活不安から、お金を使えない状況です。
中小業者も大変です。消費税増税分を価格に転嫁できず、廃業を考える事業者が増えています。
もともと消費税は「収入の低い人ほど負担が重い」不公平な税金で、税率が上がれば上がるほど弱者の負担が増し、格差と貧困をさらに広げることになります。
新政権になって、借金を積み増しながらの経済政策が打ち出されていますが、デフレを克服し国民の生活が豊かになる道筋は、私たちには見えてきません。
東日本大震災によって未曾有の被害を受け、被災地の生活再建もなかなか進まず、消費が落ち込んでいるときの消費税増税は、ますます地域経済を冷え込ませます。
以上のことから、「消費税増税をやめさせる被災3県協同アクション」を立ち上げることとしました。
その取組みの第一弾として、神戸大学名誉教授二宮厚美氏をお招きしての学習会が、参加者60名で、3月19日(火)「にコラッセふくしま」を会場に開催されました。
以下は、当日のレジュメから。
安倍政権下の経済、暮らしと消費増税
[1]民意との深刻な乖離をもった安倍政権
1.「脱新自由主義の民意」と「改憲型新自由主義派の圧勝」の総選挙結果
- いまだに続く「消費増税ノー」「脱原発」「反TPP」の多数世論
- 脆弱な基盤に立脚する安倍政権と極右新自由主義派(維新とみんな)の改憲煽動
2.参院選後(選挙のない3年間)をにらんだ安倍政権の動き
改憲型新自由主義派にとっては二度と訪れない絶好の機会の3年間
*2013-16年の4年間は1937-41年に匹敵する可能性
3.安倍政権の前に立ちふさがる消費増税問題9月頃に2014年4月消費増税率8%化の決定。
経済状況の好転を条件にした消費増税実施
[2]消費増税のために発動したアベノミクス
1.安倍自民党の選択とアベノミクスが生まれた背景
- 選挙前の安倍発言「デフレが進行していく中では消費税は上げない」
- 参院選までの短期決戦型景気浮揚策
2.「的に届かぬ矢」としての金融緩和策・・・・内需活性化に結びつかない
- 通貨供給量は民間の資金需要によって規定される(必要通貨量を決めるのは通貨供給量ではなく、通貨需要である)
- 過剰資金が滞留している状態下では銀行の投融資は伸びない
3.「的に刺さらぬ矢」としての財政政策(公共事業)・・・・消費不振を打開できない
- 公共事業中心の補正予算13兆円(事業規模20兆円)のバラマキ
- 財政ファイナンス効果のもとでの株価上昇、円安化(国際的過剰資金の流入)
株・為替市場は投機的利益を求める過剰資金の修羅場
4.「的を外れた矢」としての成長戦略・・・・外需依存・投資主導成長のブーメラン
- 「医療・福祉等の社会サービス市場化」と「国際競争力強化」の二点
- 外需依存・投資主導型成長こそは現在のデフレ不況を招いた主要因
[3]消費増税をやってはならない理由
1.消費増税は日本経済をさらにゆがめる
- 消費税は国民所得(消費+貯蓄)のうち消費に課税し貯蓄は非課税とするもの。
言いかえると、貯蓄=投資部分の所得には課税しないということ
- 消費増税の前にある悪循環(消費デフレが進むと消費増税はやれない)
現代世界の新自由主義的悪循環の根拠 →格差・貧困社会化プラス過剰資金
2.「社会保障のための消費増税」のオトリ作戦は化けの皮がはげつつある
当初の「社会保障を維持するためには消費税の引き上げが必要だ」という議論
→「消費税増税を我慢してもらうには社会保障自体の身を切ることが必要だ」
3.大衆イジメの消費税の逆進的性格は福祉を破壊する
国民総背番号制を前提にした給付付き税額控除制度は管理・監視社会化への道
おわりに
改憲型新自由主義派(橋下・渡辺・安倍派)との対決場としての消費税問題
*福島は「消費増税、原発、TPPノー」国民連合の先頭部隊
消費税増税を止めさせる被災3県協同アクションはこちら
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