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第26回通常総会 会長挨拶
 

 この1年間の活動や今年度の方針に関しましては、事務局長より詳細に報告いたしますが、前回の総会の方針は、ほぼ全面的に実践されまして活発な活動が行われたと思っております。

 BSE問題、商品表示問題、農薬ポジティブリスト制度など食品の安全の課題、あるいは消費者政策、平和の問題、特に憲法九条を護る運動、ユニセフ活動、労福協サポート・クレサラ問題を組合員にお知らせする活動、あるいは環境問題や地産地消などでの協同組合関係提携の多彩な活動を組合員さんと共に進めてまいりました。

 特に05年度は県や市の行政、あるいは社会福祉協議会などとの協力関係を強める活動に力を入れてまいりました。

 行政参画推進学習会などをはじめとして色々な学習をしてきましたが、その中で、生活環境部県民文化グループの伊藤裕之様、そして県連の主催ではございませんでしたが私たちと福島県が担当しました北海道・東北生協行政連絡会議が福島市で行われ、生活環境部長の根本様からのご挨拶をいただくなど大変お世話になり、無事終えることができました。改めて心から御礼を申し上げます。

 議案書の33ページに載っていますが、05年度の事業高・組合員数・出資金のどの項目でも各単協によって凸凹がありますが、トータルでは前年を越えております。運動面、そして事業面でも厳しい環境の中で全体的には前進したものと思っております。

 代議員の皆さんはじめ、単協の役員の方、組合員、職員の方々に敬意と感謝を申し上げますと共に皆さんと共に喜びたいと思います。

 さて本年度でございますが、日本経済は戦後最長の景気が続いていると報道されていますが、どうも実感がなかなか湧きません。昨年の米の価格の下落は農家を直撃し農家の経済は大変な状況が続いております。さらには所得税の定率減税の半減、あるいは年金保険料の引き上げ、介護制度の変更による消費者の可処分所得などは減少しております。高齢化が進む中で医療費が上げられ、診療抑制も進んでいる状況です。

 特に去年から原油の高騰により、灯油価格は昨年の冬の生活費に、特に会津地方において大きく響きました。

 石油製品の関連の値上がりも現在も続いております。本年もこの傾向は続くものと覚悟をしなければいけないと思っております。こうした中で石油大手は空前の利益を上げました。会津で実際にあった話ですが、娘の孫の子守をしなければならないということで娘の嫁ぎ先に行くのですが、その時じいさんも連れて行くわけです。灯油代が浮くということです。私たちが、この冬の寒い暖房費をほそぼそと節約しているというときに石油大手が最高の利益を上げているということは何か矛盾を感じているわけです。

 昨日の新聞には、大手銀行6行が3兆円に昇る利益を計上したと報じられました。私たちの預金の金利は0レベル、老後の生活設計を全く砕いてしまった。不良債権のために私たちの血税が非常に大きく注ぎ込まれた銀行業界が、私たちの苦しみを別にして大もうけしているということは何かおかしい日本になっていると思います。

 トヨタも1兆円を超える利益を上げています。この現実は、富めるものはますます富んでいき、富めないものはますます落ち込んでいくという、いわゆる格差社会が広がったと言わざるを得ないと思います。

 この頃の国の政策は「なぜこんなに冷たいことをやるんだろう」と思うことが多いかと思いますが、小泉さんは「格差社会ではない、格差が悪いわけではない」とおっしゃるわけです。したがって政治に暖かさというものを期待することはもうできないと私は思っています。

 一方そういう環境の中で、小売り業界の競争というのは郊外にとてつもない小売り施設を作り、たとえばプラントファイブというのは5000坪の売り場面積です。5000坪というとこれはちょっと大きいです。近隣の商店街を全部飲み込むくらいの大きさです。商店街を丸ごと潰して町の都市計画をないがしろにしていくという競争の様相を示しているわけです。福島県は全国に先駆けて昨年9月に「福島県商業まちづくりの推進に関する条例」を議会で採択をしております。私たちはこの方針を強く支持すると同時に駆け込み的な出店というのもあるわけですが、これは認めるべきではないのではないかと主張をしております。

 高齢化社会で間尺にあった人に優しいまちづくり、コンパクトなまちづくりは21世紀に合ったふさわしいものと思います。そういうことでこの方針を支持するというわけです。

 そうは言っても現実には厳しい環境にさらされているわけで、本当に生協らしい組合員のくらしに現実に役に立つ事業のレベルというものを皆で上げていかなければならないということもあるわけです。組合員さんといっしょにそういう生協を作っていくということが急務であると思います。

 医療分野でも消費者分野でもそういう厳しい状況というものは同じではないかと思います。私たちはそういう状況の中で購買、医療、共済という異種間の県連参加の共同を一層強めて相互に組合員加入や健康あるいはライフプランなどでの情報交換をしあったり、共同行動を強化するなどでくらしを守っていこうと思います。

 また農協さん漁協さんなどの友誼協同組合とはもちろん、労働金庫さんやあるいは労働組合の皆さんなど協同の分野をもっと広げるということが組合員さんや県民の生活を守るためには必要ではないかと思います。

 そういう中では特に労働福祉協議会のなかでの活動も重要な意味を持つものであると改めて訴えたいと思います。

 昨年は被爆・敗戦60周年という年でした。戦争について深く反省をして平和を改めて進めるという大切な年でした。しかし、事態はそれと全く逆に急速に悪い方向に向かっております。

 憲法九条を変える目的での国民投票法案や愛国心・愛国的態度、徳目などを並べた教育基本法の改正、そして戦前の悪名高い治安維持法と同じ働きをする可能性を強く持っている共謀罪などが国会にかけられております。非常に憂慮すべき事態ではないかと思います。平和あっての生協なのです。協同互助の経済組織あるいは人類の福祉ということを掲げたコープふくしまの設立時に掲げたこの文言は不当であるとして先輩たちは弾圧を受けたという歴史を我々は忘れることはできない。平和の中にこそ生協は発展するのだと思います。九条の会や憲法を生かす県民の会などとの協同を強めて地域で草の根から平和の声を大にして勇気を持って進めていきたいと思います。

 ユニセフの活動については9月に創立3周年を記念してアグネスチャンを呼んでユニセフのつどいを開きますが、ぜひ参加をお願いいたします。最後に針川事務局長から触れられると思いますので詳しいことは省略しますが、生協法改正運動を組合員さんといっしょになって学習を基礎にしながら県選出国会議員に働きかけるなどで全国の生協と一緒に運動の強化を図りたいと思います。

 ホリエモンや村上ファンドなどの言葉に象徴される虚業、実業に対する虚業ですが、苦労せずにお金を儲ける風潮が高まっていますし、子どもの安全が脅かされております。社会が病んでいるのではないかと思わざるを得ない状況ですが生協の共同購入や個配の車両が組合員さんの家の近くを網の目のように走り回っております。私どもが持っている班や組織は、班についても万単位に存在しています。生協の持っているインフラを活用して安全安心な地域を「愛と協同」、「一人は万人のため万人は一人のため」という理念が生きる地域社会というものを作っていきたい、皆さんと一緒に作って行きたいと強く思います。

 こういう社会だからこそ生協の理念運動が輝いているのだということを確信しあって私たちの生協運動を元気よくみんなで仲良くして確認しあう、そういう総会にしていただくことをお願いいたしまして挨拶に代えたいと思います。

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