国会・厚生労働委員会では「審査未了」に!(2001年6月)
「食衛法改正・充実強化を求める国会請願」の結果について
1373万名の国民の願いを無視する結果に!!
- 私たち生協の組合員が中心となって全国各地の消費者・生産者・事業者などから寄せられた1,373万名もの請願署名はかつてない大きな国民の願い(声)を国会の場に届けるものになりました。
- 戦後最大規模といわれる雪印牛乳の食中毒事故の発生や狂牛病、O−157、遺伝子組み換え食品など食品をめぐる新たな諸問題がたくさん発生してきていることに対して、食品の安全を確保するための社会的な仕組みの根幹となる法制度作りが、まさに国民的な願いとして国会に提出された、これが今回の食衛法改正運動の内容でした。
- 私たちのこの請願は第151通常国会の会期末(6月末)、衆参厚生労働委員会において、それぞれ審議がおこなわれました。しかし、「審査未了」という国会本会議で法改正を検討する前段階で振り出しに戻されるという大変残念な結果になりました。
- これは国会最終盤で自民党が「採択に同意できない」という態度で反対したため、採択に至らなかったものです(国会の慣行で「請願採択は全会派一致の賛成」が必要とされています。審査未了は不採択とは異なり、審査未了の請願は次の国会に提出することができます。)
- 「採択」されなかったもう1つの原因は、厚生労働省の「請願の趣旨は現行法の運用で可能であり、法改正は不要である」との姿勢で、採択阻止の巻き返しを行ったことにあります。国の裁量権だけを決めている現行法から、国の責務を明確にするように改正されることへの抵抗があったものと考えられます。
- 「食品衛生法改正」の請願は多くの消費者、多くの国会議員の支持を得ました。
1,373万名もの署名が集まったということは、赤ちゃんから老人まで全国民の10人に1人以上が、また成人対比ではもっと高い比率で国民が「食品衛生法」の改正を要請したということです。この国民の声は、国民の代表である国会議員にも当然反映されました。衆参あわせて732人の国会議員中541人の議員さんが請願内容を支持し、国会に提出するための「紹介議員」になっていただきました。これは全国会議員の3/4(衆議院では79%・参議院では64%)の議員さんが紹介議員として賛意を表明したことになります。
- 「法改正」に向けての足がかりを作りました。
先の国会では「審査未了」になりましたが、これは「不採択」ではなく、請願の趣旨が否定されていることではありません。請願には法案のような「継続審査」はありませんので、改めて「再提出」することができます。その意味で「法改正」への大きな足がかりを作ったといえます。
- 運動の進め方に新たな前進が見られました。
全国的には「組合員が組合員に広げる」「地域の全党・全議員との懇談・話し合いの場を持つことができた」「多くの消費者やJAなどの生産者の方々との共同の行動」「県の食品安全行政強化の取り組みや地方議会での意見書採択の取り組み」というような新たな前進が図られました。このような全国の前進例に学んで私たちの運動をもっと充実させていきましょう。
- 1373万名署名を背景に、「請願の再提出」を行っていきます。
請願の趣旨は変えず、誤解を招いたり、無用な議論の恐れのある表現について再検討を行い、請願の再提出を行っていきます。署名については、再度組合員さんにお願いするのではなく、県連役員や会員生協の役員の個人名で行うこととし、1373万名署名については請願趣旨の中で触れていくこととします。
- 共同して取り組みを進められる団体等との関係や、地元選出の国会議員との関係を大切にし、理解をいただける関係・協力をいただける関係づくりを目指します。
今回の請願署名でご協力をいただいた団体や国会議員との関係を大切にしていくとともに、今回実現しなかった団体・国会議員との協力関係づくりを進めていきます。
- 「福島県における食品安全確保に関わる基本方針」作りと「食の安全懇談会」の設置を求める活動を進めていきます。
|