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内閣総理大臣 高市 早苗 様 

2026年5月27日

福島県生活協同組合連合会

会 長 佐藤 一夫

防衛装備移転三原則と運用指針の閣議決定への抗議文

 私たちは日本国憲法を活かし、平和と民主主義を守る立場から、4月21日に閣議と国家安全保障会議(NSC)で、防衛装備品の輸出ルールを定めた防衛装備移転三原則と運用指針の改定に抗議し、撤回を求めます。

 かつて、2022年12月16日に政府が行った「国家安全保障戦略」「国家防衛戦略」「防衛力整備計画」、いわゆる「安保3文書」の閣讓決定に対し、私どもは、時の岸田内閣総理大臣に撤回を求めました。

 今回、政府は、これまで救難や輸送など非戦闘目的の「5類型」に限定していた防衛装備品の輸出ルールを撤廃することを閣議決定し、これまで原則禁止としていた殺傷能力を持つ武器の輸出が原則可能となり、安全保障政策は大きく転換してしまいました。    

 今回の改正により、防衛装備移転三原則とその運用指針において、防衛装備品は殺傷能力の有無に応じて「武器」と「非武器」に分類されるようになっています。  「武器」の輸出先は日本政府と「防衛装備品・技術移転協定」を結んだアメリカやイギリス、オーストラリアなど現時点では17ヵ国に限定するとありますが、新たに締約を結べば輸出対象国は拡大します。

 現に戦闘が行われている国には原則輸出できないとありますが、安全保障上の必要性を考慮して「特段の事情」がある場合は例外的に認めるとなっています。

 武器輸出の可否の判断については、総理大臣をトップとし、大臣らで構成される国家安全保障会議が行うと限定し、欧州諸国などを例に輸出の際の国会承認を不要とし、国会には決定後に通知するなどとして、国会の関与を形骸化させています。

 輸出を決めるにあたっては相手国やその周辺に及ぼす影響なども審査し、輸出後も保全や管理状況をモニタリングすることで際限のない輸出に歯止めをかけたい考えとのことですが、ただ、国会の事前関与がなく、政府内の手続きだけで輸出が決まることに変わりはありません。

 小泉進次郎防衛大臣は、4月4日の衆院予算委員会で、同盟国の米国が戦闘中の紛争当事国である場合「インド太平洋で米軍の態勢を維持するため、装備品が必要になるケース」が想定されると答弁し、米国支援の狙いを明言しました。

 イランを先制攻撃した米国は迎撃ミサイルの枯渇に直面しています。

 同様の無法な戦争を引き起こした米軍に日本が武器を提供し、多くの人命を奪う危険があります。

 他国と共同開発・生産する武器の第三国への輸出は、従来は英国、イタリアと共同開発する次期戦闘機に限定していましたが、今後は豪州と共同開発する「もがみ」型護衛艦などを第三国に輸出することも可能となります。

 政府は今回のルール改正を同盟国・同志国との相互支援環境の構築につなげたい考えや、ロシアによるウクライナ侵攻などを踏まえ、「有事に必要な継戦能力を支える生産能力を国内で確保するうえでも大きな意義を有する」と強調していますが、物価高騰、電気料金を始めとしたエネルギー価格の値上げ等々、国民の暮らしはますます疲弊している中で、国民の命を守る政策が第一のはずなのに、防衛産業を成長産業にするのがそもそもおかしい話です。

 戦後81年、平和国家であり続けたのは、国民のすごい努力によるものです。

 戦後日本は、第二次世界大戦の苦い経験と反省の上に立ち、現行憲法のもとで平和憲法を掲げ、幾度に渡る国際紛争が生じた際も、対話による平和外交を通じて解決に努め、国際社会の一員として高い評価も得てきました。

 しかし、貴政権の打ち出す今回の政策は、ことごとく東アジア等の緊張関係を増長する以外の何ものでもなく、政府が最も重要な責務という「わが国の平和と安全を維持し、その存立を全うするとともに、国民の命を守ることだ」とすることを危うくし、むしろ戦争をけしかけているのではないかとさえ思えるものです。

 武力で平和はつくれません。

 日本国憲法を生かした平和外交によって、アジアと世界の平和構築に貢献するべきですが、その憲法さえも変えようとしています。

 私たち生活協同組合も第二次世界大戦の苦い経験のもと「平和とよりよき生活のために」をスローガンにかかげ、組合員が安心して暮らし続けられる平和で持続可能な社会をめざしてきました。

 憲法九条をはじめとした平和憲法の基本理念は守られるべきと考えています。

 防衛装備移転三原則と運用指針の閣議決定の撤回を求めます。

以上

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