2022年12月12日(月)と13日(火)、郡山市の「郡山ユラックス熱海」を会場に、「2022年度絆シンポジウム・絆塾」が開催され、地産地消ふくしまネットの構成団体を中心に、12日の絆シンポジウムでは会場90名の他、53名がリモートでつないで参加され、13日の絆塾では42名が塾生として参加されました。
今年度は「福島から考える協同組合のアイデンティティ」というテーマで、開催趣旨を以下の通りとしました。
「令和4年7月7日(木)に実施した「第100回 国際協同組合デー記念フォーラム」では、本県は東日本大震災の後、全国の協同組合から復興支援をいただき、協同組合間協同のモデルとなったことなどが共有されました。ご講演いただいた北川太一教授からは、本県の協同組合の活動は先進的で、次世代につなぐことが重要であるというご意見をいただきました。現在、ロシアのウクライナ侵攻により食料問題が顕在化し、協同組合が果たす役割はますます重要になっています。協同組合には、現代社会が直面するさまざまな課題の解決を目指す役割があり、それはICA声明の協同組合の定義・価値・原則が基盤となります。ICAが協同組合のアイデンティティ(定義・価値・原則)の世界的な協議を開始している今こそ、福島としての協同組合の役割を再認識し、改めて我々の組織・事業・活動が、協同組合の定義・価値・原則にどう位置付けられているか、協同組合間の垣根を越え、当協議会の会員の皆様とともに考えるシンポジウムといたします。」
冒頭に、地産地消ふくしまネットの田子英司副会長(福島県森連代表理事会長)より開会のあいさつと、地産地消ふくしまネットの管野啓二会長(JA福島五連会長)より主催者あいさつを行いました。
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田子 英司 副会長 |
管野 啓二 会長 |
次にJA福島さくらの志賀博之代表理事組合長より、郡山地区での開催地ということで、歓迎のご挨拶をいただきました。
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志賀 博之 組合長 |
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伊藤 治郎 氏 |
1日目のシンポジウムでは、第1部「協同組合のアイデンティティを学ぶ〜国際協同組合デー記念フォーラムをうけて〜(第2弾)」ということで、「ICA声明・協同組合の定義・価値及び協同組合の原則」の映像資料を全員で視聴したのち、JCA伊藤治郎常務理事より「協同組合のアイデンティティに関する世界的協議について」講演し、「現在の原則・アイデンティティは1995年に採択された。インターネットが普及し時代背景が大きく変わった今、時代にマッチするか検証することが必要だ。また、SDGsが浸透し株式会社でも社会・環境・経済の調和が重視される現在、協同組合は改めて“自分たちは何者か(アイデンティティ)”を考える必要がある。世界的にはこれまでの原則には含まれていない職員・環境・平和・多様性と包摂など新たな論点に留意する必要があるとされている。是非、2日目の絆塾で論議してもらいたい」と話しました。
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齋藤 優子 氏 |
次に、第2部「食と農のコミュニティづくりと協同組合のアイデンティティ」ということで、生活協同組合コープこうべの齋藤優子氏が「協同組合間連携による地域活性化へのチャレンジ〜地産地消の推進と人づくり〜」をテーマに兵庫県で取り組まれている「兵庫地魚推進プロジェクト(とれぴち)」の取り組みを紹介し、「とれぴちの取り組みは協同組合職員の合同研修『にじの仲間づくりカレッジ』で培った職員と職員のつながりから始まった」と説明がありました。「協同組合が相互理解を深め、消費者と生産者のつながりを生み出し、連携することで創り出されるものの可能性は大きくこれこそが協同組合の力だ」と解説されました。
その後、2名の講師に福島大学食農学類の小山良太教授が加わり「協同組合のアイデンティティ」についての鼎談(ていだん)が行われました。
地産地消ふくしまネットの役員である管野啓二会長(福島中央会)、田子英司副会長(福島県森連)、鈴木哲二幹事(福島県漁連)からも、組合員が主体となることで、協同組合の組織としての役割がどう発揮しているのかなどについて、それぞれコメントをしました。
最後に、地産地消ふくしまネットの吉川毅一副会長(福島県生協連会長)より開会のあいさつが行われ、1日目は終了となりました。
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吉川 毅一 副会長 |
2日目の絆塾では、福島県内の協同組合の職員と地産地消ふくしまネットの構成団体でもある福島大学食農学類の学生が参加し、同大学の林 薫平准教授と原田英美准教授の進行で、それぞれの協同組合の強み・弱みを共有したのち、「協同組合のいいところを出し合って、地域の課題解決の企画を考える」をテーマにしたグループワークが行われました。
短い時間のグループワークでしたが、企画された内容は「希薄になりつつある人間関係を修復し、暮らしやすさだけでなく、誰もが生きやすい世の中(未来)にするために、協同組合が垣根を越えて、組合員だけでない様々な人々のつながりを紡ぎ出すための活動や場づくりの提案」がそれぞれのグループから報告され、職員に宿る「協同組合のアイデンティティ」を感じる機会ともなりました。
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