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2017年度絆シンポジウム開催

2017年12月1日

絆

ユネスコ無形文化遺産登録記念

2017年度絆シンポジウム

「つながり・ひろげて・協同組合の価値創造」

〜 海、里山、森への共生 〜

 

 

 「協同組合の思想と実践」が2016年11月に国連教育学科文化機構(ユネスコ)の無形文化遺産へ登録されました。改めて協同組合の歴史と将来の発展性が評価されたことになります。

 これを踏まえ、シンポジウムにおいて、協同組合間協同による各県ネットワーク同士の連携を強化し、さらに地域を超えた、“つながり”を“ひろげて”協同組合の価値を創造し、発展に資することを目的に、地産地消ふくしまネット主催により、2017年12月1日(金)13:00から、奥飯坂「摺上亭大鳥」を会場に開催されました。

 JA、漁協、森連、生協、福島大学、県内協同組合組織関係者約130名が参加されました。

 冒頭、主催者を代表して、地産地消ふくしまネット大橋信夫会長より、下記挨拶がありました。

 「2017年度絆シンポジウムの開催にあたり、主催者を代表し、一言ご挨拶を申しあげます。本日は、年末でご多忙のなか、県内のそれぞれの関係団体から多数の皆様にご参加をいただき、誠にありがとうございます。また、地産地消運動促進ふくしま協同組合協議会の活動に参画をいただき、改めて御礼を申し上げます。さて、昨今のグローバリズムへの反動、民族間の分断、貧富の格差拡大などの世界情勢の中で、昨年11月末、ユネスコは協同組合を次の世代に引き継ぐべき人類の財産である世界無形文化遺産に登録しました。このことは相互扶助に根差した協同組合の思想と実践力に対する国際社会の期待の表れであります。我々、日本の協同組合陣営にとっても、今回の文化遺産登録を、協同の理念の普及と運動の発展をはかる好機とすることが重要であります。このため、今年で第4回目を迎える絆シンポジウムでは、ユネスコ無形文化遺産登録記念として開催することといたしました。第1回目は、いまから4年前の2013年に開催しました。きっかけとなったのが、与党が規制改革推進会議の農業ワーキンググループの農業改革に関する意見を踏まえ、取りまとめた農協・農業委員会等に関する改革の推進についてであります。現状分析無き協同組合陣営の自立的存立に対する攻撃に対して、真の農協改革と協同組合の価値を福島から発信するという趣旨で開催されました。この第1回目では、北海道大学名誉教授の太田原高昭先生をお招きし、総合農協の役割、協同組合の存在意義を学んだところであります。その太田原高昭先生が、今年8月に他界されました。太田原先生は、長年にわたって農協問題を研究され、我々JAグループの自己改革の後押しをしてくださいました。心からご冥福をお祈りいたします。本日のシンポジウムは、4部構成となっており、第1部では、太田原先生の教えを踏まえ、改めて、協同組合の価値や役割を学びたいと思います。第2部では、ユネスコ無形文化遺産登録についての基調講演を、第3部では、他県での実践事例報告を、さらに第4部では、2019年4月に設置予定の福島大学食農学類の概要説明を予定しております。今回の絆シンポジウムを契機に、協同組合の思想と協同組合間協同による各県ネートワーク同士の連携強化、さらには、地域を超えた“つながり”を“ひろげて”、協同組合の価値を創造し、相互扶助組織としての協同組合の持続的な発展を実現するための運動を今後とも強力に展開してまいりたいと思っております。結びに、今後とも福島県における協同組合間協同を発展させ、地産地消運動や本県復興の促進に全力で取り組むことをお誓い申しあげて、主催者の挨拶とさせていただきます。」

第1部 太田原先生追悼「太田原先生を偲ぶ-地産地消ふくしまネットへの期待」

福島大学経済経営学類特任教授守友裕一氏と同教授小山良太氏から、太田原高昭先生の遺訓についてお話をいただきました。

関係資料はこちら【PDF:1.01MB】

第2部 基調講演

「「協同組合の思想と実践」のユネスコ無形文化遺産登録をどう受け止めるか」

 JC総研協同組合研究部長前田健喜氏より講演をいただきました。

 「ユネスコとは」」「無形文化遺産の保護に関する条約とは」「ドイツにおける提案までの経過」「協同組合の思想と実践の代表一覧表への登録」「登録を我々としてどう受け止めるか」といった構成で、詳細な報告をいただきました。

関係資料はこちら【PDF:395KB】

 前田氏は、最後に「ドイツの提案書やユネスコ政府間委員会の決定に示されたような協同組合への評価を自信を持って受け入れながら、引き続きそれぞれの現場において、コミュニティの課題に対して人々が参加・協同して解決策を生み出す協同組合という仕組みを活用して、課題の克服に取り組んでいくこと、そのことを通じて、協同組合の思想と実践を発展させ、次世代に引き継いでいくこと、そのことが求められていると私は考えています。」と結ばれました。

第3部 実践事例報告

「地域を超えた、“つながり”を“ひろげて”協同組合の価値を創造〜海、里山、森への共生〜」

 前田健喜氏を進行役に岩手県生協連顧問加藤善正氏、神奈川県生協連会長付スタッフ丸山善弘氏との鼎談が行われました。

 加藤善正氏からは、「岩手における協同組合間協同の現状」「岩手の生協運動の特徴〜ICA原則・理論の重視・実践」「岩手の生協運動の特徴〜ICA原則・理論の重視・実践」「岩手の生協運動と地域社会におけるポジション」について報告をいただきました。

関係資料はこちら【PDF:211KB】

 丸山義弘氏からは、本年3月7日に、神奈川県内の協同組合関係者がつどい、協同組合組織のより広い交流・連帯をすすめ、県民に対する協同組合の理念発信を促進し、すみよい地域社会づくりに寄与するものとして、新たな協同組合連携組織である「神奈川県協同組合連絡協議会」を発足させたことについて報告をいただきました。

関係資料はこちら【PDF:1.62MB】

第4部 福島大学新学類「食農学類」の概要について

 小山良太氏と福島大学経済経営学類准教授林 薫平氏から報告がありました。

 東北で唯一農学部のなかった福島県に、ついに農学系の新学部が誕生します。

 2年後の2019年4月1日の開設に向けて、福島大学農学群食農学類(仮称)の設置準備を進めています。原子力災害によりダメージを受けた本県農業の再生の要として、次世代の食農人材を養成しようと考えています。

 ポイントは二つあります。一つは「食」「農」学類という名称です。これからの農業は生産、加工、流通、消費までをも包含したフードシステムとしての視点が重要です。

 フードシステムとは、食料品の生産から流通・消費までの一連の領域・産業の相互関係を一つの体系として捉える概念のことです。そこで、本学類では「川上」の農業・農家・農村による生産を対象とした農学から、加工・流通を含む「川中」、小売・消費の「川下」までも視野に入れたフードシステム全体を農学の対象として捉え直します。食育や地域の食文化なども研究・教育の対象です。

 もう一つは「農学栄えて農業栄える」農学教育の在り方を追求することです。「稲のことは稲に聞け、農業のことは農民に聞け」「農学栄えて農業亡ぶ」は近代農学の祖である横井時敬先生の言葉です。農学は実学であり、応用科学であり、設計科学です。

 近年、日本の農学教育は専門分野の細分化や現場からの隔離など、総合性を養う機会が失われつつあります。医学や理学との境界線も曖昧です。農学により解決すべき課題は食や農の現場にあります。また、地域社会が切望している人材も現場で課題解決できる人材です。既存の農学教育の体系性の中には、現場主義や実学主義という理念を見出だしにくくなっているのです。

 そこで、福島大学食農学類(仮称)では土づくりから地域の生産資源の活用までを学ぶ「生産環境学コース」、そこで何を作るのか持続可能な農業の在り方を学ぶ「作物・栽培学コース」、生産した作物にいかに付加価値を付けるのか、食品機能や発酵・醸造学を学ぶ「食品科学コース」、その上でもうかる農業、新技術の普及と評価、食の安全と認証システムを学ぶ「農業経営学コース」の四つの専門分野を設置し、これらを現場で結び付ける実践型農学教育を必修で学ぶ仕組みを用意しています。例えば作物学、発酵学、アグリビジネス、マーケティングなど専門分野横断の実践型農学教育プログラムを福島県内に複数配置します。そこに、学生も参加し、ワイン、日本酒、納豆など具体的な商品開発や市場調査を行います。現場の方々と共に学びながら地域課題の解決を目指すプログラムであり、これを全学生必修で実施します。福島だからこそできる食と農に関わる研究と農学教育の成果を福島から世界に発信していくことがわれわれの使命です。

閉会挨拶

地産地消ふくしまネット吉川毅一副会長より行い、終了となりました。

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