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子どもの貧困を考える学習会開催

2016年12月8日

進行役
渡部光恵理事

 12月8日、ラコパふくしま5階「会議室」を会場に、福島県生協連と福島県ユニセフ協会の共催、福島県ライフサポートセンターの後援で「子どもの貧困を考える学習会」が開催されました。参加者は90名でした。

 最近、「子どもの貧困」という言葉をよく聞くようになりました。

 けれど、「子どもの貧困」とは新しい問題なのでしょうか。

 それはどのような問題で、どのような背景から生じているのでしょうか。

 「子どもの貧困」というキーワードから私たちがどのような社会に暮らしているのかについて一緒に考えてみたいと考え、開催する運びとなりました。

丹波史紀氏

 講師に、福島大学行政政策学類の丹波史紀准教授をお迎えしました。

 丹波先生は、社会福祉、公的扶助を専門とする研究者で、貧困・低所得層の社会的自立を主な研究テーマとされており、2009年から、反貧困ネットワークふくしま共同代表をなさっておられ、全国人権連の事務局次長もなさっておられます。

講演する丹波准教授 講演に聞き入る参加者
  • 平成25年度の「国民生活基礎調査」の結果、日本全体における子どもの貧困率は16.1%に対し、子どものいる現役世帯において「大人が一人」である世帯の貧困率は、54.6%となっている(いずれも平成24年度の数値)。
    6人に1人は貧困・低所得状態におかれていることになり、これは先進国のなかでも高い水準に位置している。
    こうした結果は、貧困問題が決して一部の人びとの問題でないことが明らかにした。
  • とりわけ日本のひとり親家庭の相対的貧困率は世界的に見ても高い水準を示している。その一方で、日本のひとり親家庭は、親の就業率(母子家庭の母は80.6%、父子家庭の父は91.3% )が非常に高いのに比べ、貧困率が改善しないことも明らかにされており、親の就業が貧困率の解消に必ずしも貢献しているわけでない。
  • 貧困は決して経済的困難のみにとどまらない。
    様々な生活必需品や教育費用の欠乏、さらには人生の様々な場面において経験すべき事柄が経済的困難なために欠乏する状態をもさす。
    それは例えば子ども期において考えた場合、のびのびと遊ぶ、必要な教育活動を体験する、友だちとの関係のなかで成長する、家族と旅行に行くなどなど。
    通常の市民がその社会のなかで享受すべき当たり前の事柄が体験・経験することができない「経験の貧困」という議論もある。
  • 子どもの権利条約では、「生存・発達の権利」「教育への権利」「親を知り養育される権利」「親による虐待・放任・搾取からの保護」「健康・医療への権利」「子どもの身体的・精神的・道徳的及び社会的な発達のための相当な生活水準の権利」「休息・余暇、遊び、文化的・芸術的生活への参加」など、生命、教育、生活、健康、遊び、文化などの社会的諸権利を認めている。またユニセフ『豊かな国々における子どもの貧困』(2005年)の中で、「子どもの貧困」を、「生存し、成長し、成功するために必要な物資的、精神的、情緒的な資源が奪われていて、そのために、自らの権利を享受し、持てる能力を発揮し、社会の完全で平等な構成委員として社会参加できない」状態としている。
  • 子どもが子どもらしく遊び、学び、成長する、そして幸せな環境下で生きていくことができる。こうした当たり前の権利が侵害されている状態が「貧困」と言えるのではないだろうか。
  • さらに子どもの権利条約では、親の第一次的養育責任を果たすことができるよう、親と国・自治体が「最善の努力を払う」ことを求めている。わが国の児童福祉法も、「国及び地方公共団体は、児童の保護者とともに、児童を心身ともに健やかに育成する責任を負う」(第2条)として、親・保護者とともに国や自治体、社会がその養育責任を共同で負うことを定めている。
  • 福島県における子どもの貧困調査にみる子どもの貧困の現状
    「5年間に通学(利用)する子ども及びその家族の経済環境が悪化したと感じるか」「この5年間に通学(利用)する子ども及びその家族の経済環境が悪化したと感じるか」という設問において、全体の62.1%が「感じる」と答えている。
    特に中学校では7割、高校では8割を超えて「感じる」と答えている。

1.いずれの数値も平成23年度「全国母子世帯等調査」による。

 といったお話があり、明石市の「子ども施策」も紹介されました。

 明石市では、子どものトータルの支援の中で、貧困対策を実施するとしており、全ての子どもが安心して暮らせる地域社会づくりを目指すとのこと。

 福島市も、平成28年度に国の交付金を活用しながら、「(仮称)子どもの貧困対策に関する検討会」により専門的な意見をもらい、子どもの貧困対策に関する実態調査の実施後、福島市子ども・子育て支援事業計画を追加修正し、子どもの貧困対策に関する計画を策定していくことになったとのことで、近くその調査報告が公表されるとの紹介がありました。

 丹波先生は、最後に、精神科医の原田正文氏が、多様な専門職の支援の必要性をふまえ、“親を運転席に!支援職は助手席に!”と提唱しているということを紹介しながら、それに地域社会全体が、どんな環境下におかれた子どももすべて等しく健全な発達を保障する「市民参加」が重要であると考える。

 そこで、“親を運転席に!支援職は助手席に!”・・・そして市民を後部座席に!と呼びかけたいとの話でまとめられました。

 午後の部は、生協関係者のみでグループ交流として「フリップディスカション」を行いました。

※フリップディスカッションとは、進行役から、いくつか質問をし、各自が手もとのフリップすなわちA4用紙に マーカーで回答を記入していただいて、グループごとにその記入したことを見せ合って意見交換するという方法です。

 フリップディスカッションのコツが、進行役から説明されました。

L:リッスンつまり話している人の意見をよく聞くこと。

O:オープンつまり開かれていること。相手の意見を尊重し、否定しないこと。

V:ボイスつまり積極的に話すこと。

E:そしてエンジョイつまり楽しくやるということです。

LOVEです。

グループ交流の様子

1.「勉強になったよ!」

子どもの貧困について考える学習会で感じたことを書いていただきました。

2.「こんなことやりました!」

今年、各生協で取り組んだ活動でもっとも印象的だった取り組みについて書いていただきました。たくさん書くというよりも自分自身がもっとも印象的だった取り組みや自分が積極的に取り組んだことを書いていただきました。

3.「こんなことやってみない!」

質問2で、それぞれ印象的であった取り組みなどが報告され、交流が進んだところで、それらを題材に、県内全体で、「こんなことやってみない!」といったアイディアを出し合っていただきました。

 質問3を出す前に、進行役から「これまで組合員活動部会では、県生協連で行うべき生協運動について提起し、会員生協が進める生協運動を交流する場としての委員会を分担して担当し、具体的な運動を推進する役割をもって進めてきましたが、組合員参加の問題について掘り下げていく必要があると今後の生協連のあり方についての答申が出されております。

 戦後、消費者運動のフロントランナーを走り続けてきた生協も他の消費者団体同様、近年若い層の人たちの参加が少なく、活動家が高齢化してきており、世代交代がスムーズにいっていない単協もあり、活動規模が縮小したり、また活動内容も固定化してくる傾向にあり、「出資・利用・参加」の基本原則の内、「参加」が曖昧になってきているのではないかという危機感やこのままでは、これまで先人たちが培ってきた消費者組織が、壊滅してしまうのではないかという危機感を抱いています。

 各生協での取り組みや地区の取り組みが盛りだくさんで、「参加するのが大変」「これ以上積極的に対応することはむずかしい」などの問題や、組合員自身の生協運動が組織活動の重要な柱とは認識しながらも、地域の拡大や供給拡大に重点がおかれ、班づくりや班活動、運営委員会などの組合員参加のしくみづくりは後まわしになるといった課題が、古くて新しい課題として横たわっています。

 多岐にわたる運動課題の重点化や事務局請負型からの脱却、県生協連としての統一的な交流・連帯を促進する活動について、購買生協部会、医療生協部会、組合員活動部会の三部会において、統一的な議論を深めていく必要があり、本日のグループ交流の中で、皆さんと共有できるものが発見できるといいなと思っています。

 積極的なご意見をお願いします。」といった説明がされました。

 その後、各グループで意見交換された内容について、報告していただきました。

 「地域の問題として取り組むことが必要」「誰でも気軽に集まることができる居場所をつくるべき」「貧困は誰でも成り得る。貧困の子どもだけにだけ目を向けるのではなく全ての子どもに目を向けることが大切」といった意見が出されました。

 本日交流された内容については、県連の組合員活動部会の中で、話し合って、2017年度の活動方針に生かしていくことが確認されました。

フリップディスカション グル−プ別発表
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