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国際協同組合デー記念フォーラム開催

第94回 国際協同組合デー 記念フォーラム 協同組合 持続可能な未来のために行動する力

 

 

 地産地消運動促進ふくしま協同組合協議会(以下「地産地消ふくしまネット」という)主催の「第94回「国際協同組合デー記念フォーラム」は2016年7月19日にパルセいいざかコンベンションホールにて開催されました。

 県内の協同組合、協同組合を支援する団体、福島大学の学生等、約200名が参加されました。

 主催者である地産地消ふくしまネットの大橋信夫会長(JA福島中央会会長)の挨拶の後、福島大学うつくしまふくしま未来支援センターに対し、研究委託した「風評被害払拭に向けた放射性物質分布マップ作成並びに再生可能エネルギー活用促進に関する研究」の成果が、福島大学経済経営学類小山良太教授、福島大学うつくしまふくしま未来支援センター農・環境復興支援部門石井秀樹特任准教授、福島大学経済経営学類食料経済・農業政策、食農教育等分野担当の林薫平特任准教授より、報告されました。

 これまで、福島県では、県産農畜産物の安全・安心確保のため、吸収抑制対策や検査体制を確立してきましたが、今後の福島県の農業の復興・再生には、未だに残る風評の払拭や避難区域等の営農再開の促進が課題となります。そうした中、ごく少数ですが高リスクな事象による風評再燃の懸念があるほか、避難解除後の営農再開にあたり、より一層の風評対策が必要となる可能性があり、こうした課題認識に基づき、セシウム吸収メカニズムの解明や計測手法の高度化による原因究明の迅速化、セシウム吸収リスクを踏まえた生産管理の高度化等の調査・研究を行い、JAグループ福島の安全安心対策の強化・高度化を図る必要があります。同時に適時適切な対外発信も合わせて、福島農業が抱える課題を克服し、震災・原発事故からの復興・再生を目指す必要があります。といった趣旨での報告。

 カリウム肥料による稲の低減対策や米の全袋検査など、いつまで継続すべきなのか?いつまで補助金が出るのか?という問題があるが、エビデンスの蓄積がないまま、低減対策や全袋検査を辞めれば、不安は増大してしまいます。科学的根拠を元に、必要な対策を洗い出し、対策の継続・停止を検討することが不可欠である。中長期的視野に立った対策の合理化が急務であるといった趣旨の報告。

 循環型の農地利用、里山資源利用の促進、木材の地産地消推進、里山と共生する暮らしの再生、農村エネルギー事業の開発、バイオマスタウン計画との連携など、具体的な事例を交えての報告がされました。

 昼食をはさんで、午後からは「TPP協定の内容と今後〜私たちの暮らしに迫る危機〜」と題して、アジア太平洋資料センター事務局長の内田聖子(うちだしょうこ)様から基調講演をいただきました。

 内田様は、TPPをはじめとする自由貿易・投資協定のウオッチと調査、政府や国際機関への提言活動、市民キャンペーンなどを行っています。TPPウオッチの国際NGOネットワークにも所属し、米国、ニュージーランド。オーストラリア、マレーシアなどの市民社会とともに活動されています。

 TPPの素顔は徹底した秘密主義で民主主義を否定するもの。国民への説明、情報公開よりも「各国との秘密保持契約」が上位に置かれてきた。まさに「主権」よりも「多国籍企業の利益」が上位に来る構図と同じ(政府与党が開示した黒塗りの資料)

 英文原文のTPP協定文は、6,547ページに及ぶもの。問題点は「自由化に向かってのエンドレスゲーム」「米国型ルールの勝利」「実効性の弱い社会的規制」にある。

 TPPで国内農業は大きな打撃を受けるだろう。TPPを先取りする形で「医療の営利化」と国民皆保険の解体が進んでいる。TPPで私たちの食のシステムは悪化するだろう。ISDSによって主権は侵害され、政策萎縮の可能性がある。といった趣旨の内容が、具体的な資料を交えてわかりやすくご講演いただきました。

 今後以下二つの動きが重要となります。

 一つは、TPPの批准そのものを阻止すること。

 二つ目は、TPP批准を前提として進められる(あるいは無関係を装いながら、しかし確実にTPPに関連してくる)国内の法律・制度の改悪を止めていくことだと結びました。

 TPPテキスト分析チームの手による「TPP協定の全体像と問題点」については、「そうだったのかTPP」で検索するとダウンロードできます。

 最後に、吉川毅一副会長(福島県生協連会長)より、国際協同組合デー記念フォーラム申し合わせが読み上げ提案され、満場一致で採択されました。

国際協同組合デー記念フォーラム申し合わせ

私たち「地産地消運動促進ふくしま協同組合協議会」は、地産地消運動をはじめ、東日本大震災からの復旧・復興支援、原発事故による風評払拭活動、TPP協定問題等に取り組んでいるところであります。

政府はTPP関連法案を秋の臨時国会に先送りしましたが、守秘義務を盾に詳細情報を開示していません。農林水産物の大幅な関税撤廃に加え、交渉前に守ると約束したはずの重要五品目でも大幅な譲歩が行われ、無傷の品目がなかったことや、発効7年後の再協議規定により一層の関税削減が懸念されること等、とても国会決議が守られたとは言い難く、国民は不安を募らせています。

さらに一部マスコミは、TPP協定は農業に関することのみが問題であるかのように倭小化した報道をしていますが、協定には、医療、保険、食の安全、ISDS条項等、国民生活のすべてに関わる重要な問題が含まれています。

国は協定に関する詳細な情報の開示を行うとともに、審議が再開される秋の臨時国会でも拙速な対応を避け、国民の不安や疑問を払拭する徹底した審議を尽くす必要があります。

今年の国際協同組合デーのテーマは「持続可能な未来のために行動する力」であり、東日本大震災・原発事故からの復旧・復興そしてTPP問題など、今私たちが直面している難局を乗り切ることで持続可能な未来が開けるものと確信します。

相互扶助組織としての協同組合の理念を踏まえ、本日お集まりの皆様、それぞれの立場で最大限の役割が発揮できるよう、ともに連帯して運動を展開することを申し合わせます。

2016年7月19日

国際協同組合デー記念フォーラム参加者一同

資料として「2016国際協同組合デーに向けた国際協同組合同盟(ICA)メッセージ」とICAの“Coops for 2030”に向けたJAふくしま未来の「宣言」が紹介されました。

「2016国際協同組合デーに向けた国際協同組合同盟(ICA)メッセージ」はこちら【PDF:2.36MB】

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