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戦後70年記念「第34回福島県生協大会」開催

2015年10月28日

小澤和枝理事

 去る10月28日(水)10:30より、福島県文化センター小ホールを会場に「第34回福島県生協大会」が開催されました。

渡部光恵理事

 今回の生協大会のテーマは、「戦後70年 私たちは子どもたちに何を残すべきか」でした。

 県内生協から200名が参加されました。

 司会進行を小澤和枝理事にお願いし、開会のあいさつをユニセフへいわ委員会担当の渡部光恵理事にお願いしました。

 主催者を代表して、吉川毅一会長より、以下の挨拶がありました。

 「第34回、福島県生協大会に、県内各地よりご参加いただきまして、大変ご苦労さまです。

吉川毅一会長

 あの歴史的な2011年3月11日の大震災とその後の原発事故から、まもなく4年8ケ月が経とうとしています。福島第1原発の廃炉は決まったものの、廃炉に向けた作業は困難を極めており、当初廃炉までは40年から50年と言われていましたが、その先行きはまだまだ見えてきておりません。その倍はかかるのではないかという推測もあります。今なお、10万人以上の県民が、県内外に避難しており、仮設住宅で暮らしている方々は、この冬で5回目のお正月を迎えることになります。全国的には「ふくしま」のことが忘れ去られつつありますが、私たちはまだまだこうした方々が沢山いるという現実を決して忘れてはいけません。私たちは、こうした方々の心に最後まで寄り添いながら、政府に対して1日も早く故郷で安心して暮らせるようにすることに全力を注ぐことをあらためて強く望みます。

 さて、今年は、戦後70年の節目の年であります。その節目の年に、安倍内閣と政府与党は、日本を「戦争をしない国」から「戦争ができる国」へと大きく舵を切りました。大多数の憲法学者や知識人、歴代の内閣法制局長や最高裁の元判事までもが、憲法違反と指摘しているにも関わらず、強行採決によって可決してしまいました。なにより、国民の過半数以上が法案そのものに反対し、8割以上の国民が先の国会での採決には反対しているという状況の中での採決でした。あの参議院本会での混乱した中での採決の場面を目にした人も多くいると思います。国民の声に聴く耳を持たず、数の力でねじ伏せる今のやり方には、強い怒りを持つもので、断じて許すことはできません。

 法案は可決されましたが、終わったわけではありません。むしろ、これからが大事だと思います。大学生や高校生をちゅうしんとしたシールズに代表される若者たちやママトモでつながった小さなお子さんをもつ若いお母さんは、今も声を上げ続けています。今までとは、まったく違った運動が全国各地で広がっています。

 1951年の日本生活協同組合連合会の創立総会では、「平和とよりよき生活こそ生活協同組合の理想であり、この思想の貫徹こそわれわれに課せられた最大の使命である。」とした創立宣言を採択しています。いまこそ、生活協同組合としての使命が問われていると思います。廃案に持ち込めるよう、今後も力を合わせて頑張っていきましょう。

 本日の、生協大会は、こうした状況の中、「戦後70年 私たちは子供たちに何を残すべきか」をテーマに、午前中は、いくつかの単協からこの間の平和の取組みについてご報告をいただき、午後は、浪江町をロケ地として製作された「ソ満国境15歳の夏」の上映をします。浪江町の馬場町長にもご挨拶を頂くことになっております。今を生きる私たちが、将来の子どもたちのために、何をしなければならないか、改めて一人一人が考える機会にしていきたいと思います。

 本日の第34回生協大会が、迫り来る様々な暮らしの危機を跳ね返していく活動の力になることを期待して、挨拶とさせていただきます。これからも、みんなで力を合わせて頑張っていきましょう。ご苦労さまです。」

 その後は、この間行われた平和行動の報告会が行われました。

 まず最初に「NPT再検討会議参加報告」を浜通り医療生協の工藤史雄さんからお聞きしました。

工藤史雄さん  

 次に、「ピースアクションinナガサキ参加報告」をコープあいづの金子正子さんとパルシステム福島の松田美紀さん、吉田智子さんからお聞きしました。

松田美紀さん・吉田智子さん 金子正子さん

 「原水禁世界大会参加報告」を会津医療生協職員の牧野千鶴さん、福島医療生協組合員の近藤眞一さん、郡山医療生協組合員の小平民生さんからお聞きしました。

牧野千鶴さん 小平民生さん 近藤眞一さん

 昼食時には、10月25日に法政大学で開催された「安全保障関連法に反対する学者の会・シールズのシンポジウム」にて、「岐路に立つ日本の立憲主義・民主主義・平和主義一大学人の使命と責任を問い直す」といったテーマで話されたシールズ関西の立命館大2年生大澤茉実さんのスピーチを流させていただきました。

大澤茉実さん(撮影:おしどりケンさん)
馬場 有町長

 午後は、浪江町の馬場 有町長の連帯メッセージから始まりました。

 馬場町長からは、以下の内容のメッセージをいただきました。

 「みなさんこんにちは。ただ今ご紹介を頂きました浪江町長の馬場 有と申します。まずご挨拶する前に、あの2011年の3月11日の大震災以来、福島県生活協同組合連合会の皆様方には本当に心温まるご支援・ご協力をいただきました。そしてまた、現在も続いていることに対しましてこの場をお借りして厚く御礼を申し上げます。ありがとうございます。

 いや、本当に長くなりました。4年7か月経過いたしまして全町民、今皆様の支えによって何とか苦汁の生活をしているという状況です。福島県内に、1万4,500人、そして県外に6,500人、本当にみんなバラバラ避難してます。

 小学生・中学生は、あの当時1,700人おりました。現在1,350人ですけれども、この子どもたちが、私ども小学校6校、中学校が3校の9校で間に合ったんですが、今なんと590校にバラバラに避難しています。全国各地に、もちろんこの福島市に転校している生徒もいますけれども、本当にあの子どもたちの気持ちを思うと心が裂けてくるような状況で涙が出てきます。

 今日「ソ満国境15歳の夏」の上映がこれからありますけれども、私も試写会で拝見をさせていただきました。本当に涙が出るストーリーになっています。

 ご案内にございましたように二本松市内の仮設住宅の中に、機材を運んでいただいて私どもの避難している生活の状況、そういう場面が出てきます。

 それで、この映画のなんと申しますか、戦争の苛烈さ、そういうものも描写されまして、中学生から高校生だと思いますが学生さんが捕虜になるわけです。

 そして過酷な生活をするわけです。また、中国の村人に助けられる場面があります。それは、重体になった生徒さんが、もうここで息絶えてしまうという状況だったのですが、その村の人々に助けられて、生活を続けていくわけです。

 その捕虜になった生活とその避難している状況の情景が、私どもの避難している状況と重なりあってきました。そこでちょっと涙が出たんですけれども、やっぱり一言で避難と言いますけれども非常に過酷です。私も92歳の母親と家内と3人で今アパートに暮らしてますけれども、普通であれば私の子ども・孫と一緒に住んでいたわけですが、それがこの震災によってバラバラにされました。私の息子は縁があって福島市にお世話になってますけれども本当に家族が、みんなバラバラになってます。

 あの放射能っていう非常に危険な状況の中で、やっぱり若い親御さん、子どもさんの命が大切だということで皆さん遠隔地に、放射線量が低い所に避難しています。

 ですから、本当に過酷な状況が続いてますけれども、何とか負けないでいろんな新しい人生が避難先でもあると思います。そういうことで町民の方が、歯を食いしばって頑張ってる状況です。いずれは、いずれかは浪江町のふるさとというものを再生をして、いつでも戻れるような環境は作っていかなくてはならないということで、今行政を執行しております。本当に過酷な状況でありますけれども、皆様方から陰に陽に私どもを励ましていただいていることに感謝を申し上げながら、この上映に先立ってのごあいさつに代えさせて頂きたいと思います。私どももがんばって参りますので、どうぞ今後ともよろしくお願いを申し上げ、ご挨拶に代えさせていただきます。よろしくお願いいたします。」

田原和夫さん

 その後、映画「ソ満国境15歳の夏」の原作者である田原和夫さんからミニ講演がありました。田原さんからは「ソ連軍侵攻の中、級友らと必死に生き延びた経験を話され、なぜこんな目に遭ったのか。誰も責任を持って答えてくれない。責任の所在が不明確なまま国が動いていく状況は当時も今も変わらない。安全保障関連法案に憤りを感じる。」といったお話しがありました。

 映画鑑賞の後、配給会社「シネマとうほく」の高澤保崇氏より、上映運動への協力のお願いがあり、すっかり恒例となった「お楽しみ抽選会」が行われました。

 今回の景品は、コヨットでお世話になっている北海道の池田農園さんからの「お米」と政田農園さんからの「かぼちゃ九重栗」「じゃがいも紅あかり・レッドムーン」パルシステム福島さんからオルタートレードジャパンのフェアトレード商品「ネグロス島マスコバド糖黒蜜」と「パレスチナのエキストラバージオリーブオイル」でした。

大抽選会

 閉会のあいさつをユニセフへいわ委員会担当の根本英子理事にお願いし、閉会となりました。

根本英子理事
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