子ども被災者支援法 基本方針改定案へのパブリックコメントを提出
復興庁は10日、「子ども被災者支援法」の基本方針改定案を公表しました。
2013年10月に閣議決定されてから初の改定となります。
改定案が、このまま通れば、原発事故の被害者の多くが切り捨てられることになります。国は、福島原発事故を早くなかったことにし、原発再稼働を一日でも早く進めたいと目論んでいるとしか思えません。
よって、当連合会としてパブリックコメントを提出致しました。こちら(PDF:200KB)
以下、概要については、福島民報「県内ニュース」を引用させていただきました。
政府は10日、東京電力福島第一原発事故の避難者を支援する「子ども・被災者支援法」の基本方針の改定案を発表した。中通りと浜通りの避難指示区域などを除く33市町村に設定した支援対象地域は当面維持する。一方で、被災地の空間放射線量が事故から4年以上経過し低下しているとして「避難指示区域以外の地域から避難する状況にはない」と明記。今後は政策の重点を避難支援から帰還や他の地域での定住支援に移行する方針を示した。
6月に平成28年度以降の復興事業の新たな枠組みが決まったことや、県が自主避難者への住宅の無償提供を29年3月で終了することを踏まえた。
自主避難者が元の居住地に帰還するか、他の地域への定住を選択するかを新たに判断するには一定の期間が必要だと指摘。当面は支援対象地域の縮小や撤廃はせず、避難者の生活に必要な支援を続けるとした。
会津地方などを対象とし、個別の施策ごとに対象範囲を設定する「準支援対象地域」も継続する。医療確保や雇用創出など地域に応じて柔軟な支援を続ける考えだ。
同法は、空間放射線量の調査結果に基づき、毎年支援対象地域を見直すとしている。改定案に放射線量の低下を受け、「避難指示区域以外の地域から避難する状況にはない」と記し、「支援対象地域の縮小、撤廃が適当」とする将来的な見通しも明示した。
各省庁は、改定案の内容を28年度政府予算の概算要求に反映させる。27年度で打ち切りとなる県外自主避難者への情報支援事業については、代わりとなる新たな事業が盛り込まれる見通し。
28年3月末までとなっている自主避難者の「父子・母子避難」世帯を対象にした高速道路料金の無料化措置の継続なども検討するとみられる。避難先での就職支援や、公営住宅の紹介といった定住支援策も充実させる方針だ。
復興庁は10日、改定案に関する意見公募を始めた。17日に東京都のTKP赤坂駅カンファレンスセンター、18日には福島市のコラッセふくしまで住民説明会を開く。意見公募の結果を改定案に反映させ、8月中に閣議決定する。
竹下亘復興相は10日の閣議後記者会見で「帰りたい方には帰るための支援、帰りたくない方には帰らないという選択をしていただき支援をしていくことになると思う。被災者が自ら住居を定め、安心して生活ができるようにしたい」と述べた。
※子ども・被災者支援法
平成24年6月に議員立法で成立した東京電力福島第一原発事故の被災者救済に向けた法律。対象地域に住み続ける人や自主避難した人を、抱えている課題に応じて支援する。25年10月に閣議決定された基本方針では、県内の中通りと浜通りの避難指示区域などを除く33市町村を「支援対象地域」に設定。それ以外の地域は「準 支援対象地域」として個別の施策ごとに対象地域を決めるとした。
■子ども・被災者支援法の 基本方針改定案の概要
1.改定の趣旨
被災者が自ら居を定め、安心して生活ができるよう、帰還や定住の支援に重点を置く方針を明らかにするため。
2.改定案の主な内容
- 支援対象地域は、空間放射線量が発災時と比べ大幅に低減し、避難する状況にはない。
- 避難先での生活の定着化により、被災者が帰還または他の地域への定住を新たに判断するためには、一定の期間を要することから当面、支援対象地域の縮小はしない。
- 支援対象地域以外の地域であっても、準支援対象地域として、引き続き、施策ごとに支援すべき地域や対象者を定めながら、適切に施策を実施する。
- 県が平成29年3月末までとした自主避難者の応急仮設住宅の提供期間は、線量が大幅に低減していることとも整合している。
- 事故初期における被ばく線量の把握・評価の推進、県や近隣県の疾病罹患(りかん)動向の把握、県民健康調査「甲状腺検査」の充実、リスクコミュニケーション事業の継続・充実に取り組む。
- 各種団体の支援により、被災者がいずれかの地域で安心して生活が営むことができるよう適切に対応する。子ども被災者支援法改訂説明会(福島)
被災者生活支援等施策の推進に関する基本的な方針はこちら(PDF:221KB)
子ども被災者支援法 基本方針改定案(概要)はこちら(PDF125:KB)
参考データはこちら(PDF:1.22MB)
|