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第32回福島県生協大会

いま、改めて、憲法とは何かを考える

 去る11月18日(月)10:30より、福島県文化センター小ホールを会場に「第32回福島県生協大会」が開催されました。

 参加者は、県内生協ならびに九条の会の関係者合わせて186名でした。司会進行を古瀬聡子理事のお願いし、開会のあいさつを舟木やよい組合員活動部会委員長にお願いしました。

 主催者を代表して、吉川毅一会長より、以下の挨拶がありました。

 「第32回福島県生協大会に、県内各地より足を運んでいただきまして、大変ご苦労さまです。福島県生協連の吉川と申します。先ず始めに、ご報告しておきたいことがございます。平成25年度、今年度の消費生活協同組合表彰として、団体表彰で郡山医療生協さんと個人表彰で県連合会の佐藤専務が、去る、10月24日に厚生労働大臣表彰を授与されました。

 長年に渡る生協運動への貢献に対しての表彰であり、あらためてみんなでお祝いを申し上げたいと思います。本当におめでとうございます。

 あの歴史的な大震災と原発事故から、早や2年8ヶ月が経ちました。事故後の復興に向けて、県連に加盟する生協が、それぞれの地域で、組合員や地域の団体・人々と一緒に、様々な活動に取り組まれていることと思います。心から敬意を表します。

 今、組合員・生活者を取り巻く暮らしの状況は、様々な困難に直面していますが、ここ福島県においては、やはり原発の問題を抜きにしては、語れないと思います。

 原発による避難者は、いまだ15万人近くを数え、県外への自主避難者は、少しずつ帰還する人も増えてはいますが、今も約5万人おります。

 県内・県外の避難を問わず、長期化する避難生活で、孤立感やストレスの蓄積による精神的・肉体的な病気が増えています。経済的な負担も大きく、生活そのものが深刻化しています。一日も早く、除染やインフラの整備を進め、避難生活から開放されることを、国や県には強く望みます。

 福島県民は誰もが県内10基の原発すべての廃炉を求めています。安倍総理が、第1原発の5〜6号機の廃炉に言及したのを受けて、東京電力もようやく第1原発については、廃炉に向けて方針を明らかにしました。11月18日から、4号機の燃料棒の引き上げも開始されようとしています。

 しかし、茂木経済産業大臣が、第2原発についても再稼働は事実上困難との認識を示しましたが、東京電力は依然として第2原発の廃炉については明言を避けています。

 最近、小泉元総理が、「原発ゼロ」を各地の講演で訴えており、先週火曜日には記者会見をして、原発即時ゼロを安倍総理に迫りました。私たちは、ずっと原発ゼロを訴えてきたわけですが、今まで、マスコミはあまり大きくは取り上げてくれませんでした。

 小泉元総理が言い出したとたん、「原発ゼロは正論だ」というマスコミ論評も増えており、ここに来て風向きが変わってきています。福島県民200万人の声よりも、元総理とは言え、たった一人の声のほうが、重いのか?という、むなしさというか、不条理を感じますが、訴えている中身は同じですので、私たちのあと押しをしてもらえればといいと感じています。これからも、安心して住める福島を取り戻すため、県や国にしっかりと声を届けたいと思います。

 今年度も県内の生協と力を合わせていくつかのプロジェクトに取り組んできていますが、日本生協連の支援を受けて実施してきましたJA新福島地区内の土壌スクリーニングは、果樹の圃場については全て完了しました。残る水田も来年の春までは終われるように、全力でがんばっています。稲刈りが終了した秋からは、全国からのボランティアも毎週多数来ていただいており、特にコープネットさんからは、この秋だけで、100名以上お手伝いいただいています。

 この間、農産物の品種ごとに放射性物質がどのくらい吸収されるのか、という研究も福島大学などを中心に、かなり進んでいます。

 野菜については、セシウムの吸収率は非常に少ないことが証明されています。野生のきのこや山菜はまだ高い地域があるようですが、一般の野菜や果実はモニタリングでも、今はほとんど検出限界値以下です。

 お米についても、カリウムを必要量いれればセシウムが吸収しにくくなることもわかっていますし、そうした対応をしてきています。今年も全袋検査をしていますが、今のところ基準を越えたものはありません。

 土壌スクリーニングで、圃場を一筆一筆測ることで、ここには、お米を作付けしてもいい、とか、ここにはこういう作物をつくればいい、というようなことも、きちんとデータをもとに指導できるようになってきています。

 土壌スクリーニングでのデータをもとに、その地域に合った農産物を作付けし、さらに生産した農産物を検査する、ということで、安心できる農産物が市場にでまわる、仕組みが出来上がりつつあります。

 コープふくしまさんを中心に実際の食事に含まれる放射性物質の量を調査した結果からも、ほとんどの家庭では検出されないとことからも証明されつつあります。

 このように、内部被爆については、土壌を調べ、それにあった作物を作り、生産された農産物や、実際の食事を調べる。あわせて、ホールボディカウンターなどで身体を調べて検証する、というようなことで、影響を限りなく少なくすることは可能ですし、実際、そうなってきています。

 一方で外部被爆については、まだ空間線量の高い地域があります。除染も中間貯蔵などの問題もあり進んでおりません。

 県生協連、福島県ユニセフ協会、福島大学災害復興研究所の共催で、全国の生協の支援を受けながら、「福島の子ども保養プロジェクト コヨット」が進められていますが、今年度もたくさんのお子さんと保護者の方を招待してきました。

 全国の生協でも春休みや夏休みの期間を中心に独自の受け入れの取組みを数多く企画していただきました。

 この取組みについて、福島県の中でも、「線量が高いから低いところへ子どもを連れていって安心させる、ということは、ことさら福島は危険だということを印象付けることになるのではないか」

 あるいは、「子ども保養プロジェクトの取組みが、結果としてその地域で風評被害と戦っている農家を苦しめることになるのではないか」という心配を持っている方々がいることも、事実です。

 しかし、福島から母子で自主避難している家族は、全人口のわずか3%弱であり、残りの圧倒的多数は、それぞれが抱える事情で、県内外に避難したくても非難できずに、放射能の不安と戦っています。

 保養先では、同じ境遇の者同士、情報交換をしたり、悩みを共有したり、自分の率直な気持ちを出し合いながら安堵する方々も大勢おられ、まちがいなく保護者のストレス解消につながっています。

 今年は国の補助を受け、屋内遊技場がいくつか設置され、どこも多くの子ども連れで賑わっています。このことは大きな一歩前進です。

 しかし、やっぱり子どもは屋外で遊びたいものです。日頃は外で遊べない、遊べたとしても時間が制約される、という中で生活している子どもたちが、自然の中でのびのびと、太陽の光を浴び、おもいっきり身体を動かしている姿に涙ぐむ保護者も大勢目にしてきました。

 農畜産物の風評被害につながるかもしれないということで、こうした母子に寄り添う保養プロジェクトをためらう、ということがあってはいけないと思います。

 確かに、人によっていろいろな考えがあります。意見の違いも出てきます。しかし、人間はそれを乗り越える、知恵と勇気をもっています。

 協同組合の父といわれた、ロバート・オーエンは、「人々の意見を一致させることが、もし、できないとしたら、せめて、みんなの心を寄せ合わせるよう、務めようではないか」と訴えたそうです。心を寄せ合い、互いの違いを尊重しながら、団結して物事にあたる。そんなことが、今の福島には必要だと思いますし、福島ならそれができると信じています。

 先日、子ども被災者支援法の基本計画が発表され。10月11日に閣議決定されました。不十分さはありますが、実効性のあるものになるよう、これからも、県を通じて要求していきたいと考えています。

 福島の復興の前途には、きわめて大きな困難が横たわっています。それは今後数十年にわたることは間違いありません。今あらためて覚悟をもって、復興に向けた取組みをみんなで力を合わせて続けなければと思っています。

 もうひとつ、今、県生協連で行なっている事業があります。農産物の風評被害対策の委託事業です。

 福島県は、様々な努力を積み重ねて、基準を超えた福島県産の農産物は一切市場に出回っていないのにもかかわらず、農産物の風評被害が続いていいます。

 福島県産というだけで、最初から選択の場所に上がらないのがまだまだ多い、というのが現実です。

 平成25年度、消費者庁では、「地方消費者行政活性化交付金」を活用した事業の目的のひとつに「風評被害の防止」を掲げました。

 これを受け、福島県は、「消費者と生産者等の理解・交流促進事業」を、今年8月、福島県生協連に対し委託をしました。

 この間、8月末の福島大学と大学生を中心に開催した「街なかマルシェ」や、9月末の生協組合員福島交流会には、首都圏や全国から大勢の消費者に参加を頂き、ここ福島市で生産者との交流を深めて、福島の農産物の現状を見ていただきました。

 また10月には、大阪市福島区での「ほたるまち、ふれあいまつり」やコープさいたまの生協まつりなどに、福島県の生産者が出向き、関西や関東の消費者と、交流を行なってきました。

 今後は、今週末11月23日、24日の2日間、郡山ビックパレットでのオーガニックフェスタを開催します。また、12月19日の福島グリーンパレスでは、「福島の今 風評を吹き飛ばせ」と題して地産地消ふくしまネット主催での開催も予定しています。

 「福島の生産者がかわいそう、とか、大変そう」なので、少しでも力になればということで福島県産品を買い支え、消費してもらうことは、それはそれで大変ありがたいことです。まだまだ必要です。

 しかし、そうした「買い支える」という想いだけでは、今の状況を根本的に変えていくことは困難です。ささえる方も、支え疲れがでますし、限度があります。

 福島の農産物の安全安心の取組みを、実際に目で見たり、いろんなデータで理解し、自分が納得して、事故前のように当たり前に購入していただく。

 そして購入した人が、その周りの人にも福島県産をごく自然に「美味しいよ、しかも安全だから」といって勧めることができる、そんな状況にすることが、必要だと思います。この交流事業の取り組みを通してそうした状況を作りだすきっかけになれたらと考えています。

 原発問題以外でも、組合員・生活者の暮らしを取り巻く状況が厳しくなりつつあることは、本日お集まりの皆さんが、日々実感されている通りです。

 10月には、円安による様々な輸入原材料の値上げによって、小麦やマヨネーズ、食用油や牛乳やチーズ・バターなど生活必需品が値上げされました。春先の値上げについで2回目です。

 ガソリンや灯油など石油関連製品の価格も上がっています。これから冬に向かって大変心配ですが、安倍政権が進めているアベノミクスといわれるインフレ対策によって、生活関連品の値上げはこれからも続くと思われます。

 偶数月の15日は年金支給日ですが、10月から1%年金支給額がカットになっています。来年10月からはさらに1%、さ来年からは、さらに0.5%と、3年間で段階的に2.5%もカットされます。

 そこに加えて、来年4月からは消費税が8%になることを発表しました。まだ確定したわけではありませんが、そうなれば、ますます、暮らしにくくなることは容易に想像できます。

 こうした状況の中、私たちが暮らしていく上で、生きていく上で、何が一番大事か、ということで言えば、やっぱり「健康な身体でいる」ということと「平和な社会、戦争の無い社会」ということだと思います。

 今、この平和が脅かされそうとしています。

 憲法9条を変えようとする動き、憲法を変えなくてもその解釈で「集団的自衛権」で自衛隊が武器を使用できるようにする動き、それに合わせるように、表現の自由や知る権利を脅かす、特定秘密保護法や「国家安全保障会議」の設置など、一連の意図をもってすすめられています。

 私は戦後生まれで戦争は直接知りませんが、戦争を体験した方々からは、「まるで、戦前の状態に戻るような感じがする」という声がだされています。

 本日の、生協大会には、憲法問題の専門家である、早稲田大学の水島教授をお招きしています。大変お忙しい方ですが、日程を調整していただき、私たちが暮らしていく上でもっとも大事な平和と憲法について、講演をしていただきます。

 今生きている私たちにとっても、大事な問題ですが、将来の子ども達にとってはもっと、もっと大事な問題です。今の動きをどう見るか、そして私たち大人は、どうしたらいいのかを、学んでいきたいと思います。

 午後からは、5つの単協にこの間の活動報告をしていただく予定です。

 本日の第32回生協大会が、迫り来る生活の危機を、跳ね返していく活動の力になることを希望して、少し長くなりましたが挨拶とさせていただきます。

 これからも、みんなで力を合わせて頑張っていきましょう。ご苦労さまです。」

 その後、基調講演として、早稲田大学法学学術院教授水島朝穂氏を講師にお招きし、「いま、改めて、憲法とは何かを考える−国防軍を地球の裏側に送る国になるのか−」というテーマで講演いただきました。

 講演のレジュメは以下の通りです。

 はじめに 憲法と「国防軍」を考える「モノ」語りから

1.憲法とは何かを曖昧にして、「変える」「変えない」を議論できるのか

  • 「憲法とは何か」をめぐる誤解−憲法は「みんなで守る大切な決まり」ではない
  • 「立憲主義」とは何か?−人権保障(個人の尊重)と権力分立(水平+垂直)
  • 憲法を守るのは誰なのか?一憲法99条にF国民」が含まれない理由
  • 憲法改正に必要なF三つの作法」

(a)変える側に高い説明責任,(b)十分な情報開示と自由な討論,(c)熟議の時間

『はじめの憲法教室一立憲主義の基本から考える』(集英社新書,10月17日刊)

2.憲法で一平和」や'安全保障」にっいて定めるとはどういうことか

  • 対外関係・対外政策の立憲的統制について
  • 日本国憲法の平和主義の特徴

〔1〕戦争を起こす主体の明確化一丁21安全保障の方式と形態,1倒国家自衛権の放棄,[4〕軍隊・軍隊類似組織の保持禁止,[51平和的生存権の保障

  • 集団安全保障と集団的自衛権一国連憲章51条の歴史的性格
    「日米同盟」という言葉は安易に使えない
  • 長沼ナイキ基地訴訟一一審判決から・・10年一「たかが裁判所,されど裁判所1

3.日本国憲法の平和主義の深化と真価

  • 目本の外交的・安全保障的な孤立一全周トラブル状態
  • 東アジアの協調的安全保障の道一〇SCAは可能か
  • 東日本大震災と自衛隊一「国防軍」の道への違和感

4.憲法を変えて「国防軍」にするのか一自民党改憲草案の問題性

  • 立憲主義不在の憲法改正論一P権力にやさしい憲法」へ

昼食をはさんで、第2部として、各会員生協を代表して、以下の5つの生協から活動報告がされました。

会津医療生協「地域での健康づくり活動」

コープあいづ「組合員活動報告」

浜通り医療生協「FTFによる検査について」

コープふくしま「原発事故による放射能汚染に向き合って」

パルシステム福島「福島を元気に!福島で元気に!」

また、お楽しみ抽選会もあり、有意義な一日となりました。

閉会のあいさつが増子清子組合員活動部会副委員長からありました。

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