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2012/10/18

「県民健康管理調査」検討委員会との面談
県知事への要望書提出と懇談

福島県生活協同組合連合会

放射能・健康問題プロジェクト

と     き
2012年10月18日(木) 9時30分〜10時50分
と こ ろ
福島県庁 福祉公安委員会室(本庁舎3階)
出席者
福島県   保健福祉部 次長(保健衛生担当) 大平 正芳氏
 
       保健福祉部 健康管理調査室 室長 佐々 恵一氏
 
       事務局職員  計 3名
 
県生協連 熊谷純一会長、佐藤一夫専務、宮田育治常務、西元幸子理事
 
       長谷部 弘理事、福地庸之理事  計 6名

1.要請項目

早急な課題

1小児甲状腺(超音波)検査の結果報告用紙の改善

2希望者には専門医の面談による結果返しを行う

3結果返しに起因する住民の不安解消

4現在行われている小児甲状腺(超音波)検査態勢の住民への丁寧な説明

5小児甲状腺(超音波)検査等に関するブックレットの作成と専門医による説明

6ヨウ素の経時的汚染状況の調査と住民への情報開示

7小児甲状腺がんの発生を受けて住民に対する慎重な対応

8年1回とされている小児甲状腺(超音波)検査の基準の見直し

中長期的な課題

1原発事故被害者全員に対する健康手帳の交付

2福島に住み続けるこどもへの保養の制度化

3母親等への無料カウンセリング制度の確立

4県外避難をした住民のための小児甲状腺(超音波)検査の手当て

2.質疑内容

熊谷会長より、福島県に対して県民の不信感が高まっている指摘をした。

福地理事より要望を行う前に、この間報道があった県民健康管理調査検討委員会の「秘密会議」「工程表」等の報道に関して、多くの市民が失望していることを訴えた。その後要望書に沿って要請を行った。

冒頭、保健福祉部次長(保健衛生担当)大平正芳氏より、多くの県民に不安を与えていることに対しての謝罪があった。また今回の要請のポイントは「県民への丁寧な説明」と受け止め、対処していく方針であることを表明した。

保健福祉部健康管理調査室室長の佐々恵一氏より、以下の通り回答があった。

1甲状腺検査全般に関する専門医による説明会

今後とも3方部で健康管理調査全般について説明会を実施する予定。
また、11月より十数回の予定で、専門医が地域に出て甲状腺を中心とした説明会を開催する予定である。また今後とも金・土・日を中心に健康相談会を行っていく予定。

2余計なリスクを強要されている状態と認識している。

いろいろな専門家が「飛行機でニューヨークに行った時の被ばく量」などという比較をしているが、根本的に今回の事故は、選択の余地がなく「強要されている被ばく」という認識をしている。

3甲状腺検査について

当初は、本格的な検査は平成26年以降に行う予定であったが、「それまで待てない」との声を受けて、先行で甲状腺検査を始めた。しかし、態勢が整っていない中で「とにかく数をやりきる」というスタイルで検査を実施してきたが、そのことにより住民の気持との大きな乖離が発生し、混乱を招いていることに対して、反省しているとともに今後の具体策を検討している。長年にわたる調査を行うこととなり、福島県立医大だけでフォローしていくことは不可能なので、今後とも地域の民間医療機関や開業医との連携が必須条件と考えている。

A2判定も3つに分類している。1しこり2嚢胞3しこりと嚢胞2が98%という現状である。数学的にしこり5mmと嚢胞20mmと区別しているわけではない。(例えば10ミリののう胞の中に2ミリのしこりがある場合は、10ミリのしこりと表現し、疑わしきはB判定へという考え方で対応)専門医の判断も含めて判定している。事務方からはA1とA2は「異常なし」という判定にはできないかとの話をしたが、医師からは「有所見であれば、今後の長いフォローを考慮すればそのことを正確に記載しておくことが大いに意義深いことである」ということでA1判定とA2判定という分類になっている。

余談だが松本市長の菅谷市長は、「嚢胞はがん化しないので異常なしとすべき」との意見もあるが、現時点では受け入れがたい状況だと思う。

また学校検診においては、保護者からも「どのような検査が行われているのかわからない」といった苦情が出されており、その対策として検診実施の前に教員向けの8ページにわたる「パンフレット」を発行して、甲状腺検査の内容を知っていただく手立てをとっている。

現状で小児甲状腺(超音波)検査の結果報告は、約10万人に行われそのうち約5%(500人)がB判定(二次精査が必要)(5%だと5000人になりデータ確認要)となっている。13市町村(双葉8町村+南相馬・飯舘・川俣・田村・伊達)の住民は平成23年度に先行して検査を受けており、B判定の方の受診状況は、2次検査着手が60名、検査終了が38名となっている。38名のうち、10人がA2判定にランクダウンしており、28人が通常診療という表現をしていました(6か月後に検査)となっている。さらにそのうち14人が細胞診検査となり、1名が甲状腺がんと診断された。残り14人は「細胞診の必要なし」という診断となった。

甲状腺の専門医は全国にも200人ほどしかいない状況である。その中でも福島県の認定指導医(専門認定指導医と言っていたので要確認)は県立医大の鈴木教授のみとなっている。その200人中70人は本件の今回の検査に携わっていただき、1人あたり3回ほど検査に関わってもらった。現場ではやればやるほど人手不足の状態となっており、二次精査をお待たせしている状況があり、現在対策を検討している。

3.今後の方針等

地域の民間の医療機関や開業医の先生に対して、実際の甲状腺(超音波)検査を見ていただいて、テクニカルな研修をお願いしたいと考えている。今後とも民間の医療機関や開業医の先生が地域で実施していただけるように、医大での認定制度を設けることを検討している。郡山医師会とも協議中である。

県外の受診者の対策は、二次精査も受診可能な施設として、医療機器や専門医等の条件を勘案して、全国の103の医療機関を選定した。そのうち44都道府県(京都・新潟・福島を除く)77の医療機関を二次精査も可能な医療機関とした。13市町村(避難区域等地域)からの県外避難者5100人の甲状腺(超音波)検査の未受診者がおり、それぞれに受診勧奨の通知を送付した結果、2000名から受診希望が出されており、現在、福島県立医大が指定医療機関とのマッチングを行っている。

4500人のコントロール調査に関しては、現在掴んでいる情報では、国はNPO法人日本乳腺甲状腺超音波診断会議に委託する予定である。1500人を3県(東北から1県、九州で1県、海のないところで1県(岐阜・長野・山梨等))を選出して調査を行う予定。福島県からは、1使用する医療機器や解析度等を福島と同じ条件とすること2医師の診断基準を福島と同じ条件とすること の2点を国に対して要望した。

4.その他

福島県に対する信頼は失墜しているので、今後とも「サポーター」的な存在をお願いしたい。やはり地域住民は医師や教師には大きな信頼を寄せており、今後ともいろいろと協力をお願いしたい。

現在福島県立医大の拠点整備を行っている。主には放射能関連の諸検査体制の整備と周産期施設の整備である。

健康手帳の交付は福島県としても大前提と考えている。

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