第32回通常総会が開催されました(2012年5月30日)
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伊東達也議長 |
5月30日、福島市の労金ビル「5階大ホール」を会場に第32回通常総会が開催されました。
県内会員生協の代議員63名(本人54名、委任2名、書面7名)と県連役員・オブザーバー・来賓の方々で計約90名が出席し、司会進行役の増子清子理事より、開会宣言があり、議長に浜通り医療生協選出代議員の伊東達也氏を選び、総会が開催されました。
開会にあたり熊谷会長から、「大震災、原発事故という世界ではじめての複合災を私達は身を以って経験しつつある訳ですが、この1年2ヶ月、私達生協陣営も復旧、復興を目指して、全力で闘ってまいりました。
御来賓の方々の御支援、御指導に対し、あらためて、深く感謝申し上げます。
本当に、ありがとうございました。
さらに、私は、この総会の場をお借りして、全国の生協の福島への物心両面にわたる御支援に、敬意と感謝を表明したく思います。
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挨拶する熊谷会長 |
福島県への義援金は総額で10億4,500万円となりました。
全国の組合員さんが、福島に心を寄せた募金であり、心から感謝申し上げます。
福島の子ども保養プロジェクトに、3,000万円弱の募金が集まっております。子ども保養プロジェクトへの支援の輪が広がっていることをとても嬉しく思います。
今年度の重点的な課題について、第1は、私たち生協連とユニセフ協会、そして福大災害復興研究所の協同事業である「福島の子ども保養プロジェクト」を息の長い活動であることを前提に継続発展する道筋をつけたい、ということであります。私たちの活動の全ての前提に「この福島の地で住み続けられるようにする。住み続けていいね。という条件を拡大すること」をしっかりと据えたいと思います。
第2は、「安心して食べられる」食品を福島の地から自信を持って生産し、流通し、消費できる「安心・安全システム」を高度化していくということであります。この事につきましては、福大の小山先生が重要な実践的課題として、すでに提起しております。それをベースにさらに豊かにしようというものです。
1つは、農地の土壌分析と放射能の詳細な計測をしたマップ作りと作物の放射能移行率・吸収率のデーターベース化であります。このことによって、生産者は正確な作付けの計画をつくることができます。
2つ目には、流通に入る前の出荷時点での計測をきめ細かく行う。行い得る体制。システムのさらなる充実をはかってゆく。ということであります。スピードで計測できる装置の開発を国や企業に急がせるということです。これらにつきましては、生協だけではできるわけがありません。国や県をはじめ、JA・JFさん“生産者”と福島大学の知識と私たち消費者が協同で行う事が大切だと思います。
そして3番目には、流通しているものでも身近で測れるベクレルモニターが配置されている状況を早急に作り上げる。ということであります。
ベラルーシやウクライナでは、小学校にも子供たち自らが計測できるセンターがありました。
生協の店舗や施設に、そのような設備を用意して、いつでも利用できる体制にしたい。「安心感」を持って、ここに住んでいけるという気持ちを持ってほしい訳であります。これは、すでに日本生協連でも全国に呼びかけていただいております。
しかし、なお、それでも被ばくが心配なわけですから、医療生協にホールボディーカウンターを設置して、健康チェック体制を整えるということであります。
こうして、生産・流通・消費・ケアという全ての段階で安心・安全システムが働き、実感できる。こうして、福島の食品は本当に安心できるし、生産者も消費者も自信を持つことができる。風評被害も払拭できると思うのです。
それが福島に住み続けられる実感が広がり、県外避難者が福島に戻る基本的条件整備になるものと確信いたします。
第3番目ですが、私達の目の前に、提起されている暮らしにかかわる多くの問題についてです。
東電は、福島第1原発の5・6号機、第2原発について、まだ廃炉を言っていません。脱原発から再稼働へという原発推進派の巻き返しの動きが強まっています。
今日の新聞では、野田首相が、原発がなくなれば国民生活が成り立たないなどと、今、原発発電“0”なのに、そういうことを言っています。
そして、その首相の下でTPP・消費税、社会保障の切り下げ、特に芸能人をやり玉に上げた生活保護制度への攻撃はひどいものがあります。
憲法九条を持つ日本で、武器輸出への緩和も打ち出され、憲法改悪の動きも急になってまいりました。これが歴史的と言われた民主党への政権交代の結末であります。
これらの根っ子を深堀りすれば、つまり電気が不足になるぞ。電気料を値上げするぞ。とおどしをかけるかのようにして、脱原発を抑えこもうとする財界の思惑が容易に透けて見えております。
私達は全国に発信した「福島から原発をなくす署名運動」を、当面県内では20万人を目指して成功させ、県内からの原発を完全に廃炉にさせる運動を強化しましょう。
これからのいわば全国民的課題、とりわけTPP・消費税・憲法九条問題については、脱原発と共に、幅広い多くの方々との協同、とりわけ協同組合同士の協同を強めて運動していきましょう。
福島県消費者ネットワークについては、地道に学習を積み重ねる。正しい消費生活ができるように、フォーラムやシンポジウムなど啓蒙活動を続けていくことが重要と考えます。
さて、最後に足尾銅山の鉱毒問題で有名な田中正造は、明治45年6月17日の日記にこう書いています。
「真の文明は、山を荒らさず、川を荒らさず、村を破らず、人を殺さざるべし」
まさに原発事故は、山を川を村を人を荒らしました。原発に依存する社会は、真の文明ではなかったということであります。
私達は、環境を大切にしながら生きる。相互に助け合いながら生きる。真に人と人とが結びつく。そんな社会をつくっていく。真の文明に向かって一歩をここに福島から進める。
別の言葉でいえば、協同組合がよりよい社会をつくる。という協同組合を力強くすすめることである。と強調して、御挨拶といたします。」という主旨の挨拶がありました。
次に来賓としてお出でいただいた福島県生活環境部消費生活課長の近藤芳行様、福島県農業協同組合中央会会長の庄條コ一様、福島県労働福祉協議会会長の影山道幸様、日本生協連北海道東北地連事務局長住吉 登様の四氏より大会の盛会と今後の発展を祈念した御祝辞をいただきました。
また、今総会を祝って全国の都道府県連・生協・友誼団体からいただいたメッセージと祝電79通が披露されました。
その後、消費者庁平成24年度消費者支援功労者「ベスト消費者サポーター章」の授章式が行われ、また、当連合会が事務局を務めている福島県消費者ネットワークが、全国消費者団体連絡会から「平成24年度いきいき消費者行政パートナーシップ表彰」を受賞したことが紹介されました。
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ベスト消費者サポーター章 |
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近藤芳行課長より熊谷会長に授与 |
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パートナーシップ賞 |
次いで、この間、当連合会に対し、多大なる義援金をお贈りいただいた「市民生活協同組合ならコープ」「生活協同組合コープやまぐち」「生活協同組合コープいしかわ」「茨城県生活協同組合連合会」「大阪パルコープ」に対し、感謝状の授与式を行いました。
感謝状授与は、代表して「市民生活協同組合ならコープ」の森 宏之理事長に授与され、森理事長から謝辞が述べられました。
議事に入り、第1号議案「2011年度活動報告並に決算報告・剰余金処分案承認の件、監査報告」、第2号議案「2012年度活動計画(案)承認の件」、第3号議案「役員(理事3名・監事1名)補充選任の件」第4号議案「役員報酬額決定の件」、第5号議案「2012年度収支計画(案)承認の件」、第6号議案「議案決議効力発生の件」が一括提案されました。
一括審議の上、個別採決の結果、第1号議案から第6号議案まで、全ての議案が、代議員全員の賛成で決議されました。
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ならコープ森理事長へ授与 |
お二人の代議員からは、福島の子ども保養プロジェクト、ベラルーシ・ウクライナ福島調査団の取り組みは、原発事故に起因した取組みと考える。子ども保養は、全国の医療生協の支援で、郡山医療生協も早くから、取り組んできた。大変重要な取組みなので継続されたい。
看護師の被曝低減リセット企画(2週間以上、他県の医療生協に受入れをしていただく)も全国の医療生協の応援で実現している。
2012国際協同組合年福島県実行委員会でシンポジウムが計画されていると聞くが、詳細わかれば教えてほしいといった発言がありました。
全議案の協議の後に、総会決議文が、コープふくしま選出代議員の有松智美さんから、提案され、議場全員の盛大な拍手で採択されました。
「総会決議案」【PDF:138KB】
2012年度の活動スローガンを
としました。
活動計画はホームページをご参照ください。
その後、退任される役員の方々に感謝状と記念品が贈呈され、退任役員から挨拶がございました。
3時30分、第32回通常総会を終了しました。
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感謝状を受ける土田監事 |
下記役員の変更がございました。
新たに選任された理事
笠 晴之 福島県南生協
古瀬 聡子 コープふくしま
吉川 毅一 コープあいづ
新たに選任された監事
退任された理事
渡部 和男 福島県南生協 通算13年
瓶子 幸子 コープふくしま 通算4年
荒井 信夫 コープあいづ 通算2年
土田 弘之 コープあいづ 理事1年、監事17年
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