東北ブロック地方消費者グループフォーラムが開催されました。(2012年3月21日)
東北ブロック地方消費者グループフォーラムは、テーマを「絆・つながろう未来に向かって」とし、サブテーマを「災害からの復興・生活再建」とし、3月21日(水)10:30〜15:30、福島市のホテルを会場に開催しました。
参加者は46団体(青森3・秋田3・岩手6・東京3・福島19・宮城6・山形6)、189名(福島県100名・他県89名)でした。
受付開始の10時から、会場内には、日本ユニセフ協会で作成した「3.11ハッピーバースディ」の映像と加藤登紀子さんの娘さんのやえさんが歌う「名も知らぬ花のように」という素敵な曲で、参加者を迎えました。
昨年の3.11に被災地で生まれた子供たちが、画面いっぱいに登場し、ほのぼのとした雰囲気の中で、開会を待ちました。
司会進行役は岩手県消団連事務局長の伊藤慶子さんにお願いしました。
開会あいさつの前に、東日本大震災で犠牲になられた多くの方々のご冥福を祈り、参加者一同で、黙とうしました。
齋藤幸子実行委員長に、フォーラムのテーマである絆にちなみ、「私たちは多くの大切なものをなくしましたが、人が救い、支え、寄り添う行為、絆という文化を気づかされました。」との主旨の開会挨拶がございました。
消費者庁からは福嶋長官と林地方協力課課長に消費者庁からの報告をいただきました。
午前中のメインは、「震災から一年見えてきた課題」というテーマでのパネルディスカッションでした。 被災県から4名のパネリストに参加いただきました。
宮城県からは、NPO法人宮城福祉オンブズマンネット「エール」の理事長であり、弁護士である大橋洋介さんに参加いただきました。
大橋さんからは、物理的にも精神的にもアクセスの困難性がある。いかに被災者に元気づけて前向きになってもらうか?どんな問題を抱えているのか分析をするコーディネーターが不足しているといった骨子の発言がありました。
福島県からは、飯館村から相馬市の仮設住宅に避難している北原康子さんに参加いただきました。
北原さんからは、正確な情報提供が重要。今回の被災により仕事を失った方が多くいます。働くことができる支援、資格の取得等自立に向けた援助等があれば意欲を失うことなく生活に張りが持てる。できれば花や作物を育てられる環境が望まれますといった骨子の発言がありました。
行政からの代表ということで、福島県生活環境部消費生活課主幹兼副課長の大竹伸明さんに参加いただきました。
大竹さんからは、震災後取り組まれた放射能や食品等の安全性に関する講習会の様子や食品の安全・安心を確保するため。住民に身近な公共施設等に約500台の放射能簡易測定装置が配備されるといった骨子の発言がありました。
岩手県からは、岩手県消団連常任幹事であり、岩手県学校生協事業部企画課長の沼田聡さんに参加いただきました。
沼田さんからは、被災地の自治体は限られた職員が全力で震災復旧から震災復興の対応にあたっているが、日常の諸課題にきめ細かく対応することが難しい状況にある。被災地の雇用が改善されないことから教材費の滞納が問題になっているとの骨子の発言がありました。
途中、会場から質問を受けるため寸劇が入り、その後再登壇いただき、パネリストから会場の質問に答えながら、今後の取り組み等を報告いただき、最後にコーディネーターの福島大学うつくしまふくしま未来支援センター特任助教の小松知未さんより、まとめとして福島のこの1年はたいへん慌ただしく、自分自身がどういう気持ちなのか、まわりがどうなっているのか立ち止まって考える余裕すらなかったと思いますが、全国には支援したいと思っている方や現に支援してくださっている多くの方々がいる。こうした方々に自立に向けて、どう寄り添っていただくか?うまく頼っていけるよう一呼吸おいて考えることが大切との発言があり、パネルディスカッションは終了しました。
パネルディスカションの中間に、青森県消費者協会の皆様による「買って食って飾って応援しよう」というテーマの寸劇がありました。
劇は、県内の夫婦が福島県の温泉を訪れ、現地の農家夫婦と出会うという設定。モモやイチゴを作っても売れないと嘆く夫婦に、「福島が安全だと認定した農産物や花を宣伝し、たくさん買うことを仲間にも勧める」と約束して幕を閉じました。場内は大爆笑の渦となりました。
昼食休憩時に、福島大学災害復興研究所、福島県生協連、福島県ユニセフ協会が主催する福島の子ども保養プロジェクトの取り組みを映像でご覧いただきました。
昼食休憩後は、分科会を行いました。
分科会はこれからのくらしと持続可能な支援活動を考える放射能から食の安全を考えるエネルギー問題を考えるの3つのテーマを9つのグループに分かれて、意見交換を行いました。
一番希望者が多かったのは放射能からを食の安全を考えるでした。
放射能と食の安全を考える分科会のまとめとして「なぜ風評被害が起きたか?もっときめ細かい検査体制が必要。福島県産品は、他県産よりも3分の1の価格でも売れない。安全かどうか、検査してあるかどうかがわからない。生産者ばかりを責めるのではなく、消費者も積極的に一緒になって理解を深める努力が必要。」と星サイ子副実行委員長から報告がありました。
エネルギー問題を考える分科会のまとめとして「ソ連の崩壊はチェルノブイリ事故処理費用が膨大であったため。廃炉を進めるにも雇用は生み出される。ひとりひとりの暮らしの見直しと脱原発に向けて心をひとつに頑張りたい。具体的な行動で示そう。」と福島市消団懇の西元幸子さんから報告がありました。
これからのくらしと持続可能な支援活動を考える分科会のまとめは閉会のあいさつとかねて高瀬雅男副実行委員長から「放射能災害にあっては理解しやすい情報のあり方。被災者のニーズが多様化してきている。食品の安全性の確保のためにはベクレル表示を。行政の対応が遅い、一方公務員の士気が落ちない対応も。黙っていては・・声を出す。」といった報告がありました。
次回開催権を山形県と確認して終了しました。
エンディングで、参加者のみなさんをお見送りする際のBGMは、岡本真夜さんの「Tomorrow明日の君へ」でした。
この歌の冒頭には、飯館村小学校幼稚園の卒園卒業式に岡本真夜さんが参加した際の600名の大合唱が流れています。
それ以外の工夫としては、昼食休憩時に、福島市在住の詩人和合亮一さんが作った「決意」と「貝殻のうた」をCDで聞いていただきました。
参加者の名札の裏面に「決意」の詩を印刷し、持ち帰っていただきました。また、お弁当の領収書と引換券にも工夫を凝らしました。
お手元に残る領収書の裏には、浪江町出身の鈴倭夢海さんの夢絵を切り取る半券の裏面には、ひとことメッセージを参加者に書いていただきました。
たくさんのメッセージをいただきました。
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名札の裏面 |
領収書の裏面 |
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