新年を迎えて(2012年1月1日)
安心して住める「福島」を取り戻すため、
県民とともに、全力で復興・再生に取り組みます。
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2011今年の漢字 |
昨年3月11日に発生した東日本大震災による地震や大津波で犠牲となられた方々に、心より、哀悼の意を表しますとともに、被災者の方々に、心よりお見舞い申し上げます。
そして、全国からいただきましたご支援に、心から感謝申し上げます。
福島は、東日本大震災における被害はもちろんのこと、その後発生した東京電力福島第一原子力発電所の事故により、人類はじめての原発震災を経験しています。 原発事故はまだ収束しておらず、福島県民の苦悩の日々は、続いています。
私たちは、安心して住める「福島」を取り戻すため、以下の要求をしてまいります。また、この要求活動を署名運動として、全国にご支援いただく準備を進めています。
1.東京電力福島第一原発の事故を早く収束させ、第一・第二原発ともに廃炉にすること。
時間が経つにつれ、事故の成り行きに楽観的な見方が広がってきているようです。しかし安心できる材料などまだ何一つないということを私たちはしっかりと認識しなければなりません。原発労働者の健康を守りながら、世界の知見を福島に集中させ、一日も早い事故収束を求めます。私たちは原発と共生できないことを身をもって体験しています。しかし明確に第一・第二原発を廃炉にすると東電・政府は明言していません。福島はもちろん全国の原発を計画的に廃炉にすることを求めます。私たちは改めて福島第一・第二原発の廃炉を求めます。
2.全県民の内部被ばくの検査と無料健診を行うこと。
福島県の広範な地域が「放射線管理区域」(放射性セシウムで4万ベクレル/m2以上の汚染)に相当するレベルに汚染されており、こうした地域に100万人以上の県民が居住しています。今後も放射能汚染と向き合いながら住み続けなければならない現実があります。被ばくによる健康影響を「ストレスや不安によるもの」と決めつけたり、「健診対象者を20万人に限る」などとせず、国が責任を持って健康を補償するように求めます。そのため全県民の内部被ばく検査を早急に行うこと。無料健診を行うことを求めます。
3.食品の検査体制の充実を図り、食の安全を守ること。
将来を担うこどもの健康をあらゆる手段を尽くして守ることが最重要課題です。そのために、外部被ばくと内部被ばくの両方をできるだけ少なくするための具体的な施策を進めるべきです。具体的な生活習慣や生活防衛及び食生活の対処方法などを、国や県が責任を持って、率先して県民に知らせることを求めます。また今後ますます食品汚染による内部被ばくが重要になると考えられるので、食品摂取の「暫定基準値」の引き下げ、行政による食品検査体制のさらなる充実、小学校単位等、身近なところで食品放射能汚染測定器によるモニタリングを県民ができるよう体制を整えることを求めます。
4.正確な汚染状況を調査し、正しい情報公開を行うとともに除染を進めること。
放射能汚染被害地域をもっと細かく調査し、居住地、生産地、すなわち田畑、牧草、森林、海など詳細な汚染マップを作成し、その上できめ細かい対策を打つべきです。国は、汚染調査、検査の結果について真の情報公開を行い、国民の不信を払拭すべきです。徹底した汚染調査と現状分析に基づく除染を住民の納得いく方法で、国が主体的に進めることを強く求めます。除染なしに将来設計は描けません。住民の将来設計なしに復興プランも構築できないというのが現在の福島県の状況です。
5.原発事故により被ったすべての損害を補償すること。
原発事故は、多くの人たちの生存権、財産権などの基本的人権を奪い取り、何万人もの子どもたちに、長い将来にわたっての健康不安をもたらし、故郷へは、もう何十年も帰ることが許されないかもしれないという問題を引き起こしました。被災者に郵送された賠償請求に関する書類は160ページもあり、3月までさかのぼって、細かく損害額を算出して請求するとなると、その作業だけでもたいへんです。もっと簡単に請求できるようにし、事故がなかったらかからなかった費用を全面的に賠償することを東電に求めます。また、国も責任をもって補償するよう求めます。
以上の問題を二度と引き起こさないために脱原発を進めることを求めます。
福島の子ども保養プロジェクトにご支援ください。
さらに、東電福島第一原発の事故以来、福島の子どもたちをとりまく生活環境は困難な状況が続いています。当連合会では、こうした子どもたちや保護者に寄り添いながら、できる限りの支援をしたいということで、福島大学災害復興研究所とつながりながら「福島の子ども保養プロジェクト」を実施致しております。
休日・祝日・長期休暇を利用して、放射線量の低い地域に子どもと保護者を連れ出し、子どもたちが十分に外遊びできる企画、保護者の疲れを癒す企画、受け入れ地域の方々と交流する企画等を実施したいと考えています。子どもたちの笑顔を取り戻すために、今後ともご支援の程何卒よろしくお願い申し上げます。
皆様方にとって、幸多き一年となりますようご祈念申し上げます。
2012年
福島県生活協同組合連合会
会長 熊谷 純一 他役職員一同
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