前進座「くず〜い屑屋でござい」福島公演開催!! (2010年12月15日)
県生協連、前進座福島後援会、福島演劇鑑賞会、福島南・中央・西子ども劇場で構成される実行委員会が主催し、福島市、福島市教育委員会、福島市議会、マスコミ各社に後援いただき、劇団前進座の出前芝居「くず〜い屑屋でござい」福島公演が、去る12月15日、福島県文化センターにて開催されました。
清水修二実行委員長(県生協連理事・福島大学副学長)から、落語「井戸の茶碗」は「善意の織りなす物語」です。落語に出てくる武士は、だいたいにおいて威張っています。町人や百姓と見れば「無礼者!そこへ直れ」なんて怒鳴るのが多い。でもこの芝居に出てくる武士たちはいずれも善意に満ちており、しかも武士としての誇りもちゃんと持っています。原作者は「こんな侍がいたらいいのにな」と思いながら話を作ったのかもしれません(ひょっとして隠れた原作者は侍だったりして)。いまの日本社会を見ると、映画「三丁目の夕日」に描かれているような人情豊かなコミュニティが、たったの五十年で、すっかり崩れてしまったかのようです。この芝居には、こうした現代日本に、新しい形のコミュニティを再生させたいという願いが込められているのではないでしょうか。江戸という時代がどんな時代だったのか、私たちは、もしかしたらちゃんと知らないのかもしれない。そんな気持ちをもちながら、実行委員会を進めてきました。そして、かつて東京下町にあった「まちのコミュニティ」の原型は、江戸時代に形成されたものだろうと思うようになりました。皆さんと大いに笑い、楽しみながら、一緒に「お江戸」を体験しましょうという主旨の舞台挨拶がありました。
第1部大人296人、子ども2人、招待者11人の計309人、第2部大人183人、親子25組、子ども1人、招待者7人の計241人、合計550人の方々に観劇していただきました。
親子三代で観ていただきたいという思いでつくられたお芝居だけに、小さなお子様からご年配の方々まで、一緒になって楽しめる舞台でした。
お芝居の前の解説やお芝居を通じて、江戸時代の「物を大切にする」「人を思いやる心」など、私たちが失くしつつある大切な感覚や歌舞伎の楽しみ方などを学びました。
また、舞台と客席が一体となるような演出に、会場は笑いに包まれ、それはそれは、楽しいひとときでした。
参加者からは、「もったいない生活、人を大切にする生活を遂行している。今やはり私たち自身が変わっていかなくてはならないと思いました。とっても楽しく学べました。」「長屋や江戸のリサイクル法をわかりやすく説明していただいて、とても勉強になりました。また、売り物屋さんの掛け声の練習も楽しく、歌舞伎の豆知識も聞けてうれしかったです。」「江戸時代という時期は、庶民はまずしく暗い生活の連続なのかなと考えていたが、物質的には今と比べものにならないほど少なかったようだが、精神的にはずっと心豊かに暮らしていたようだ。無縁社会なんて考えられない社会だったのではないか。金と引き替えに絆を売り渡してしまった現代の社会の人間はよく考えてみなければならない。」といった感想が寄せられました。
お芝居を観ての感想をいただきました |
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前進座「くず〜い屑屋でござい」福島公演パンフレットより |
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