北海道・東北6県の生協連が増子経済産業副大臣と灯油で懇談(2010年2月9日)
北海道・東北6県の生協連が増子輝彦経済産業副大臣と灯油で意見交換会
〜増子経済産業副大臣「暫定税率廃止の抜本見直し」を約束〜
2010年2月9日、東京・霞が関の経済産業省副大臣室において、北海道・東北の生協連の代表が、増子輝彦経済産業副大臣と灯油に関する意見交換を行いました。今回の意見交換会は、今冬の灯油情勢の中で、ぜひ経済産業省に灯油の現状と消費者の実情を聞いて欲しいという私たちの要望を受けて、連合福島と県労福協が窓口に折衝いただき、増子経済産業副大臣に快くお受けいただいたことにより実現したものです。
意見交換会には、県労福協の菅野敏夫事務局長にも参加いただきました。
生協側からは、福島県生協連の熊谷純一会長はじめ、北海道・東北地連灯油対策連絡会の加藤房子座長(宮城県生協連常務理事)、北海道生協連の伊藤貞男専務理事、岩手県学校生協の沼田聡務課長、山形県生協連の大友廣和専務理事、福島県生協連の佐藤一夫専務理事、日本生協連北海道・東北地連の住吉登事務局長と斉藤浩輝事務局員の8名が参加しました。
生協連側からの要望に対し、増子経済産業副大臣は「暫定税率廃止の抜本見直し」を前向きに検討することを約束されました。
今回の意見交換会では、私たちは、灯油をめぐる情勢認識を背景に、寒冷地に住む組合員、消費者にとって、灯油が生活必需品であることを、それぞれの地域の実情中心に訴えました。
それに対して、増子副大臣は、「暫定税率廃止ということをマニュフェストで出し、廃止はしましたが、新しい形で税を維持するという形になってしまいまして、申し訳ないと思っています。ただ今後、原油の高騰時には、ガソリンを値下げや連続値下がりの場合は値上げするなど、1年限りの税の仕組みを作らざるをえませんが、この問題については、もう一度抜本的に見直していこうと考えていますので、ご理解いただければと思っています。灯油は、東北・北海道という寒冷地から見れば、非常に重要な生活物資ですので、我々としても供給については、国として、経済産業省として、しっかりと対応していきたいと思っています。」と今後の税率の抜本見直しも含め、きちんと対応する旨を約束いただきました。
<生協の主張 (要旨)>
《主張その1》 |
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原油価格の高騰を抑制して適正価格にとどめるには、消費国や産油国が協調して需給を反映した市場価格に是正することが必要です。その点で国の責務は大きいと思われます。原油価格高騰に対して、国は産油・消費各国と連携し、不透明な価格形成を排し、適正な価格形成がされるように、国際的リーダーシップを取っていただくことをお願いします。 |
《主張その2》 |
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石油元売りは需給環境に対応するという理由で、製油所稼働率を70%台まで絞っています。現在の在庫水準は例年だとシーズンが終わる3月末の水準であり、今後の供給不足が心配です。全国的な寒波の到来において、国としても不測の事態に敏速に対応していただくようお願いします。
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《主張その3》 |
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灯油価格の値上がりがくらしをますます厳しくします。2008年度に実施されたような国の支援対策(地方自治体へ「灯油購入費助成」)はできないものか再検討をお願いします。 |
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《福島県生協連 熊谷純一会長》
今日は、東北・北海道の地連、生協連合会から代表のものが来ております。
まずは、懇談を持っていただきまして本当に有難うございます。
東北・北海道の灯油の購入代は、北海道では年間10万円くらい、会津でも7万円くらいで、これは食費よりも多いんです。
ですから、食品に並んで、灯油の価格問題というのは深刻です。
出来るだけ我々としては安いほうが良い訳ですが、安定的な需給を図っていただきたいこと、それから原油は1バレル50ドルぐらいが、妥当な国際価格ではないかと思っています。
そうなりますとまだ3割くらい高いという事ですので、国全体として燃油の価格をどうするかという事を考えていただければ有り難いと思います。
今日は、各地の状況を率直に話させていただきますので、よろしくお願い致します。
《福島県生協連 佐藤一夫専務理事》
石油購入助成金の問題ですが、副大臣もご存知のように、地域経済の貧困や格差の問題は深刻で、生活困窮者は、灯油がなかなか買えない状況があります。福祉灯油が、2年前、北海道についで東北6県全ての県で実施されるようになったのですが、今年は国からの助成がないという事もあって、各県実施しないようです。
何故実施しないのか、行政の方とお話していると、灯油は随分安くなったという認識が大方で、私たち生活者の認識では、まだまだ灯油は高いと思っていますから、随分とかけ離れた認識となっています。生活困窮者への手厚い助成を考えていただきたいと思います。
※この他、各道県生協連からそれぞれ意見が出されました。
《増子輝彦副大臣》
各地の現状やら、ご要望をお聞かせいただき、いろいろと有難うございました。
いずれにしても、一昨年の原油高から比較すれば価格も下落、安定的な状況であるといいながら、50ドルという一つのボーダーラインがあって、それを上回っている事であれば、当然販売価格にも影響してくる事になってきますので、我々としては、まずは安定供給をしっかりと出来る事、価格の面については、統制価格とはなかなか行かないものですから、ある程度の所は、我々も見ているしかありません。
ただ異常な場合には、当然、販売店や流通過程の中で、行政指導もしっかりしていきたいと思っています。
さらに高騰という事になれば、先ほどお話のあった福祉灯油、あれは実は公明党さんが一生懸命頑張っているような話ですが、一番最初は、我々民主党が、次の内閣で、私が経済産業大臣の時に、過去の例をひも解いて、やっぱりやるべきだという事で出したことです。
結果的には政府の予算の中で織り込んでやってくれましたので、将来、また原油高騰という形になって大きな影響が出れば、寒冷地、独居世帯についてはやっていく事は、当然の事なのだろうと思っています。
全体的な、世界のエネルギーと石油事情というものも考えながら、やっぱり日本においては様々なエネルギーがあっても、生活物資としては灯油が一番安定的で、ある意味扱いやすくて、皆さんが大切にしているものだと思っていますから、安定供給して、ある程度の安定価格で、しっかりと国民の皆さんのお手元に行き渡るように対策をやっていきたいと、私たちもこれから引き続き努力してまいりますので、ご理解いただきながら、様々ないくつかの問題も充分に踏まえて対応していきたいと思っています。
一時、ヘッジファンドが世界中で動き回りまして、石油全体の需給バランスからみれば、そんなに異常な価格になるはずはなかったのですが、高騰してしまいました。
今度、脱石油という事になってきますと、再生可能エネルギーという事で、様々なエネルギーが出てきます。太陽光、あるいは風力、地熱、バイオマス、水力、森林も含めて、実は日本のエネルギーの中で2020年までに電力供給という点については、なんとか10%までに持っていくということなっており、そのために、私たちは正月4日から10日まで、イタリア、スペインに行ってきました。
第2班は、別なグループがドイツ、イギリスに行って、固定価格買取制度などを視察して来まして、まもなく報告書をまとめる予定です。
昨日は反省会を、私が主催で行ったのですが、やっぱり灯油がいいよねという話になりました。一番使いやすいという事です。価格的に一番手頃で、そういう意味では灯油は大事だという話になりました。霞ヶ関の経済産業省の役人も、そういう感覚は持っています。
先ほどの幾つかの点を踏まえながら頑張ってやっていきたいと思っています。
闇カルテルの問題も、過去のオイルショックとの関係であります。
近いうちに石油連盟の会長たちと懇談会をやる事になっていますので、元売各社もしっかりと対応してもらえるように、税制の時だけ頭を下げるのではなく、国民生活を大事にと話しておきたいと思っております。
価格の問題も含めて安定供給という事でやっていきたいと思っています。
いろいろ適宜、私たちに情報を定期的にください。
灯油はもちろんの事、その他の生活物資でも是非何かありましたら教えてください。
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