県生協連 熊谷純一会長あいさつ
このシンポジウムは地産地消運動促進ふくしま協同組合協議会の発足を記念して食料農業農村問題県民会議の共催で第28回福島県生協大会と今年度の第1回の食と命を守る定期フォーラムを合同で開催しています。
この夏地産地消運動促進ふくしま協同組合協議会は県内の4つの協同組合の連合会が長年の環境問題での活動を積み上げて新たな発展形態として立ち上げました。
生産者の協同組合と消費者の協同組合が地産地消という共通の目標でスクラムを組んだ訳で福島県の協同組合の運動に大きな発展・歴史を築いたものです。
食料農業農村県民会議はJAさんを中心として商工会議所様、消団連様、連合様、医師会様、PTA様等等の非常に幅広い方々で構成されている会議で食と命を守る定期フォーラムを開催してきています。
このように幅広い県民を結集する両団体が生産者と消費者の絆の強化という共通の価値で今ここに集っている、このことは大変大事で意義深いことだと思っています。
私たちは誰もが人間らしい、環境に優しい、平和な社会を望んでいます。心の豊かさあるいは穏やかさ、ゆとり等があるくらしを心から望んでいるのではないかと思います。
昨今の日本の状況は、これとは正反対の暗い、非人間的な現象に満ちているのではないかと思います。
食の安全に係わる事件が多発している。この背景には食料自給率が40%という深刻な状況、福島県においては米を除くと27%という実態があります。
原油も少し下ってきてはいるが、原油の高騰による生産財、消費財などの高騰についてはたいへん私たちのくらしを厳しくしている。
加えて社会保障関係の制度的な欠陥というか作った人の倫理観というか、そして保障の後退。加えて最近の金融の状態というのは私たちのくらしと営業にたいして心配を加えています。
このような中で1人は万人のため、万人は1人のためにという人間と命を大切にするという協同組合が協同組合間はもちろんだが、他の多くの方々と協同する意義はたいへん大きなものがあると思います。
今の日本の価値はまさに交換価値が支配していると思います。競争の世界において交換するという価値だけは見えて、そこに人間の顔が見えない状況にあると思います。
これに対して私はそうではなくて、人間そのものにも自然そのものにも存在の価値があると思います。存在価値を大切にする世界を広げるが今非常に重要だと思います。
地産地消運動、食料自給率の問題も日本の生産者、消費者という対立する関係ではなく友に生き人間として存在するということを基本としてお互いに認めあいお互いに高めあえるような世界を夢見ているわけです。
このシンポジウムがそれに役立つようになれば幸いだと思っております。
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