「2007年度北海道・東北7道県・食品の安全行政推進・意見交換会」が、2008年1月24日、ホテルメトロポリタン仙台で開かれました。この会合は、東北農政局の後援を受けて、この地区の7つの道県生協連合会と日本生協連北海道・東北地連(事務所:仙台市)が共催で開催したものです。2007年は食品偽装、賞味期限のごまかしなどが多発し、改めて食の安全行政の見直しが求められる中で、「各道県の食の安全安心条例や基本計画での特徴的な取り組みとリスクコミュニケーションのあり方について」をテーマに開催されました。北海道はじめ7つの道県の行政(12名)と各道県生協連・生協(9組織・33名)から47名が参加しました。交換会では、それぞれの道県の食品安全行政の取り組み報告・今後の課題、質疑応答など活発な意見交換が行われました。
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日時: |
2008年1月24日(木)12時30分〜16時10分 |
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会場: |
ホテルメトロポリタン仙台 4階 千代東の間 |
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参加: |
行政〜北海道、青森県(2)、秋田県、岩手県(2)、宮城県(2)、山形県、福島県、東北農政局(2) 計12名。
生協〜7道県連・9生協から33名、日本生協連(2) 合計47名 |
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内容: |
司 会:福島県生協連佐藤一夫事務局長
開会挨拶:針川佐久眞北海道・東北地連事務局長
閉会の挨拶:入間田範子宮城県生協連常務理事 |
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2つの「食の安全安心条例とリスクコミュニケーションの取り組み」報告 |
【北海道】 |
(1) |
「北海道の食の安全・安心条例」の概要と条例の基本計画と4つの施策及び表示・登録・認証制度等。 |
(2) |
「遺伝子組替え作物の栽培等による交雑等の防止に関する条例」と「GM条例に基づく交雑防止処置基準の概要」の考え方と違い、食に関するリスクコミュニケーションの実施状況。 |
(3) |
「牛肉ミンチ事件」「石屋製菓問題」の経過と概要及び対策(教訓「国と自治体とのコミュニケーションができた」)。 |
【宮城県】 |
(1) |
「食の安全安心の確保に関する基本計画(平成15年3月策定)」の目的・位置付け・施策の大網とこの間の事件の多発問題(BSE、韓国産生カキの本県カキへの混入偽装など)への安全安心確保対策の流れ及び推進条例ポイント。 |
(2) |
リスコミニケーションでは出前講座、講演会等の開催を含めた7つの柱で進める。昨今風評被害もあり、正しい知識はもちろんの情報公開の重要性とリスコミを重視。 |
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【質疑・意見交換】 食品偽装・BSE全頭検査などに活発な質疑と意見 (Q質問 ⇒回答) |
Q |
道産きらりっぷの認証制度 |
⇒ |
認証制度は書面と工場点検も同時実施、基本は専門機関を介させていること、今後も認証制度は継続して実施する。 |
Q |
北海道の給食の管理と食に関する指導の人材育成実績(16年度0人→20年度511人)は |
⇒ |
教育庁で所管。研修等を実施し、200人ほど栄養教諭を育成。給食事業活動を通して教育現場で食育で活躍してもらっている。 |
Q |
この間の偽装、不正に対しての消費者への要望、検討事項は |
⇒ |
表示は消費者の選択権の問題だと考えている。不正表示は消費者の選択権を奪っている。 |
⇒ |
BSEの全頭検査や稲の交配などの問題では科学的な判断と消費者の意識にギャップがあるが、将来はどちらが正しかったかは議論のあるところ。国・地方自治体・消費者の協力関係を大切に、より消費者に近い感覚で対応すべき。 |
Q |
リスクコミュニケーションについての意見 |
⇒ |
リスク評価は国の安全委員会で科学的な評価を下す事だが、それとリスク管理はイコールではない。リスク管理で、BSEで検査が必要でないとした時でも消費者に不安が多ければリスク管理部署では検査を続ける判断をしても良いという事がリスク管理のあり方だと理解している。消費者からすると産地偽装、原材料偽装など不正表示等の実際のチェックをしっかり実施していただきたい。 |
Q |
宮城県民総参加運動「食の安全・安心の取り組み宣言」の事業者・生産者のマネジメント登録状況は |
⇒ |
実数で現在は2700名。食品の自主検査結果に基づいて安全性を担保。勉強会、出前講座等を行い新しい知見、条例改正を説明。法令を遵守できなかったり、法に抵触している場合は宣言を取り下げてもらう。 |
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【各県からの報告と意見交換】 青森・秋田・岩手・山形・福島 |
【青森県】 |
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「食の安全・安心確保」対策本部の設置、対策総合指針(6つの基本方針)、改定とリスクコミュニケーション取り組み報告。 |
【秋田県】 |
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昨年の10月の比内地鶏の偽装問題のお詫びと対応策、「安全・安心に関する条例」の基本理念、基本計画、地域情報回覧板の取り組み、食品安全安心月間及び食品安全推進会議(12名)設置に関する報告。 |
【岩手県】 |
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「食の安全安心アクションプランの見直し」の進め方。基本方針(行政の責務)、全体目標及び指標、現行アクションプランの成果、今後の課題など。平成19年から22年度(4ヶ年計画)までのアクションプラン報告。 |
【山形県】 |
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無登録農薬の問題を受けての食の安全推進会議の設置(危機管理室担当)。推進会議の4つの目的を基本方針とし、生産者・事業者・消費者の役割の明確化。県産農産物等の信頼性を確保する仕組みづくりと流通を確保する体制の強化、情報の提供・意見交換の仕組みづくりなど報告。 |
【福島県】 |
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18年度食品安全確保対策プログラムの評価及び19年度のプログラム、食の安全・安心フォーラム、教育委員会とタイアップで小学生の食の安全教室を実施など報告。 |
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福島県「食だけでなく、災害や原子力も含め包括的な安全安心条例を2月に予定」 |
⇒ |
山形県「条例というよりアクションプランづくりに注力していく」 |
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岩手県「条例で何を決めるのかが問題。現在は必要ないと考えている」 |
⇒ |
青森県「条例は年月がたつと機能しなくなるなど問題があり条例は考えていない」 |
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【参加者アンケートより(抜粋)】 |
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食品安全条例づくりが一段落し運用の中での課題への対応状況がよくわかった。 |
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地方行政が頑張っていることがよくわかったが、消費者に向くこと、消費者に勉強してもらうこと(情報提供・情報公開)、ともに地産地消を実現していくことが大切。 |
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青森県の生産者支援(土づくり)、小学生への食育教室、県職員による食育宣伝隊の取り組みは評価できる。 |
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行政の本音(金無し人無し)、悩みが聞け、信頼感と協働意識が湧いてきた。 |
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各県の取り組み実態を理解、今後の行政との関係作りの中で生かしていきたい。 |